2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催に向けて、着々と整備が進む。2025年日本国際博覧会協会は21年10月27日、大催事場基本設計業務の公募型プロポーザルを行い、伊東豊雄建築設計事務所(東京・渋谷)を最優秀提案事業者に選定したと発表した。
大催事場は、万博の開会式や閉会式に加えて、コンサートや歌劇、歌舞伎など、会期中に開催される様々なイベントを行う興行場だ。延べ面積は約7800m2を想定している。基本設計業務の委託上限金額は約1億800万円で、委託期間は21年10月下旬から22年3月23日まで。
同プロポーザルには伊東豊雄建築設計事務所の他、梓設計・noiz設計共同企業体(JV)、久米設計(東京・江東)、大建設計(東京・品川)の計4者が応募。書面審査による1次審査を通過した3者が、プレゼンテーションとヒアリングによる2次審査に進んだ。
評価委員会の委員は、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏と、建築設計者の妹島和世氏、クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏の3人が務めた。
2025年日本国際博覧会協会は、伊東豊雄建築設計事務所の提案を公開していない。その理由として同協会整備局は、「検討を進めた結果、提案時からデザインを変更する可能性があるからだ。公募時に提案書を公表することを前提にしていなかった」と説明する。
講評には、次のように大催事場の提案を記している。
「1970年の日本万国博覧会の象徴だった太陽の塔を連想させるシンプルで象徴的な外観デザインで、万博らしい提案となっている」
「前面広場はにぎわいを生み出し、一体感のあるホールに来場者を迎え入れる提案になっている」