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 中央自動車道の弓振川橋工事では、交通量の少ない夜間に1車線だけ交通規制して床版を取り換える新たな取り組みに挑戦している。中日本高速道路会社と大林組が共同で開発した床版取り換え工法「DAYFREE(デイフリー)」だ。

 施工ヤードは規制した1車線のみ。現場では隣を大型車が通るたびに、相当な風圧と振動を感じる。まさに、危険と隣り合わせの現場だ。

弓振川橋工事の現場。夜間の様子(写真:大林組)
弓振川橋工事の現場。夜間の様子(写真:大林組)
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 DAYFREEを使った初めての現場なので、安全に配慮して、1期と2期で段階的に車線規制の幅を変えて施工している。2期目の2020年9月~12月は片側1車線を規制し、隣を車が走る中で工事を実施しているが、20年6月~7月の1期目は片側2車線とも規制して1車線分の床版を取り換えた。

 1期目では施工している車線の隣を車が通らないものの、本番さながらに危険を知らせるため赤外線センサーを設置。車線から作業員の体がはみ出るとブザーが鳴る仕組みにした。

1期目の施工の様子。片側2車線を規制した。車線から作業員がはみ出たことを認識してもらうために赤外線センサーを設置している(写真:大林組)
1期目の施工の様子。片側2車線を規制した。車線から作業員がはみ出たことを認識してもらうために赤外線センサーを設置している(写真:大林組)
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 「どんなに良い工法でも、事故が起こると『そこまでリスクを冒して実施すべきなのか』と反対されかねない。発注者に安心して採用してもらうためには、事故を起こさず安全に作業するのが大事だ」。現場代理人を務める大林組の中央道弓振川橋工事事務所の雨笠泰伸所長はこう話す。

 作業員だけでなく、ほうきなどがはみ出て通行車両に影響を及ぼすことも考えられる。1期目でそのことを作業員に十分意識付けした結果、2期目でも「高速道路を利用する人からの苦情はない」と、雨笠所長は明かす。

 2期ではその他、作業員の安全を守るために、現場の前後に監視員を付けている。危険そうな運転をしている車を見つけたら笛を鳴らして、作業員を退避させる体制を取る。

全体工程表(資料:大林組)
全体工程表(資料:大林組)
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