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 NTT都市開発(東京・千代田)は2020年12月8日、京都市と「元新道(しんみち)小学校跡地活用」に向けた基本協定書を締結した。市は20年4月に契約候補事業者の募集要項などを発表し、同年10月30日に同社を契約候補事業者に選定した。

「元新道(しんみち)小学校跡地活用」全体の完成イメージ(資料:NTT都市開発)
「元新道(しんみち)小学校跡地活用」全体の完成イメージ(資料:NTT都市開発)
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 対象地は、元新道小学校敷地および隣接する「宮川町歌舞練場敷地」。既存の小学校校舎と歌舞練場の建物は共に、解体することを前提に計画を進める。元新道小学校跡地の都市計画上の条件は、用途が商業地域で、指定建蔽率80%、指定容積率400%だ。

赤色の部分が、元新道小学校敷地および隣接する宮川町歌舞練場敷地(資料:京都市)
赤色の部分が、元新道小学校敷地および隣接する宮川町歌舞練場敷地(資料:京都市)
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 京都市立新道小学校は、11年3月に閉校した。敷地は同市東山区に位置する。近くには、京都最古の禅寺として有名な建仁寺がある。

 提案内容は、対象地に宿泊施設と地域施設、新しい宮川町歌舞練場などを整備するものだ。この地域で長年、小学校と共存してきた宮川町歌舞練場を同時に建て替えることで、京都五花街の1つである宮川町の花街文化の発展と、新たなにぎわいを生み出す回遊性の高い街づくりに貢献する。

 宿泊施設の敷地面積は約4000m2、延べ面積は約4300m2とする予定。地域施設と歌舞練場の敷地面積は約2300m2だ。地域施設には災害時の避難所としても使える多目的ホールや、自治会の集会所や倉庫、地域の交流スペースを設ける。

宿泊施設のイメージ(資料:NTT都市開発)
宿泊施設のイメージ(資料:NTT都市開発)
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建て替え後の宮川町歌舞練場のイメージ(資料:NTT都市開発)
建て替え後の宮川町歌舞練場のイメージ(資料:NTT都市開発)
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 既存建物は解体する予定のため、NTT都市開発は施設の新設に先立ち、小学校や歌舞練場を含む一帯を3次元(3D)データによるデジタルアーカイブとして保存することを検討している。「今回の開発で取り壊しになってしまう建物の内外の状態をリアルに残すため、地域を3Dデータで記録する。先人が築いた街の記憶を後世に伝えたい」(同社広報室)。

 デジタルアーカイブは、NTTグループのテクノロジーを使って作成する。具体的には、3Dレーザースキャナーで街の点群データを収集し、保存することを想定している。また、生まれ変わる宮川町歌舞練場では、バーチャル映像を使った花街文化の発信もしていく計画だ。