
「GAFAM」や「BATIS」といった米中ITの巨人たちは、AI(人工知能)を含む技術力で他を圧倒している。企業価値は上位数社で8000億ドル(90兆円)近辺を競う。
日本のAIスタートアップ勢は米中IT企業と比べ、規模はごく小さい。だが、したたかな製品戦略と技術戦略によって、米中大手に負けない独自のポジションを築きつつある。「捨てたもんじゃない」日本のAI勢の戦略に迫る。
「GAFAM」や「BATIS」といった米中ITの巨人たちは、AI(人工知能)を含む技術力で他を圧倒している。企業価値は上位数社で8000億ドル(90兆円)近辺を競う。
日本のAIスタートアップ勢は米中IT企業と比べ、規模はごく小さい。だが、したたかな製品戦略と技術戦略によって、米中大手に負けない独自のポジションを築きつつある。「捨てたもんじゃない」日本のAI勢の戦略に迫る。
シナモン
多くの国内スタートアップがAI(人工知能)技術に精通したエンジニアの獲得に苦戦するなか、異色の人材戦略によって注目を集めているAIベンチャーがある。2016年創業のシナモン(東京・港)だ。
ABEJA
ABEJAは従業員64人と小規模ながら、企業価値は235億円(2019年10月末、日本経済新聞推定)に達し、未上場のAI企業としてはPreferred Networksの2402億円に次ぐ第2位につける。グーグル、米エヌビディア(NVIDIA)、ダイキン工業、トプコンなどから出資を受けている。
LeapMind
創業7年の国内AIスタートアップ、LeapMindが新たなチャレンジを始めた。2019年2月27日に開催した自社イベント「Edge Deep Learning Summit」で、深層学習向けの低消費電力プロセッサーの開発に着手している事実を明らかにした。
Preferred Networks(3)
画像解析を得意とする深層学習と、創薬。一見すると関係なさそうな2つを結ぶ研究をPFNが始めるきっかけになったのが、2017年に開催されたIT創薬コンテストだった。
Preferred Networks(2)
Learn or Die(死ぬ気で学べ)――。この行動指針に沿って、存在感を高めているAI(人工知能)ベンチャーがPreferred Networks(PFN)である。
Preferred Networks(1)
「ディープラーニングの演算に必要な回路を極限まで詰め込んだ、超高性能のAI(人工知能)チップを作ろう」――。2016年9月、Preferred Networks(PFN)と理化学研究所のメンバーが参加した合宿で、これまでにないAIチップの開発方針が話し合われた。
AI分野をリードしているのは米中の巨大IT企業だが、レースの勝敗はまだ決まっていない。注目すべき国内AIスタートアップがある。ニッポンAIは捨てたもんじゃない。