著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。
今回は大量に出回るビットコインを要求する脅迫メールと、日本郵政の海外子会社のランサムウエア被害の2件を取り上げる。
1000ドル相当のビットコインを要求(5月29日)
千葉大学のCSIRTであるC-csirt(千葉大学情報危機対策チーム)は、暗号資産(仮想通貨)の詐取を狙った脅迫メールが大量に出回っているとして注意を呼びかけた。

注意喚起では、過去に届いた脅迫メールと比べて「日本語のレベルがかなり上がった」としている。筆者が確認した過去の脅迫メールは、日本人が作成していないことがすぐに分かるレベルだった。今回の脅迫メールは文面の日本語が格段に流ちょうになっている。

脅迫メールには「ウイルスを使って受信者のパソコンをハッキングしたので、情報を流出させたくなければ1000ドル分のビットコインを支払え」といった内容が書かれている。趣旨は過去に出回った脅迫メールと変わらないが、「ビットコインの入手方法が分からない場合はGoogleで『ビットコインを購入』と検索してください」といった助言が追加されていた。
この脅迫内容は全くの虚偽であり、従う必要はない。なおメールで指定されたビットコインの口座を調べたところ、だまされた被害者が送金したものかどうかは分からないが、1000ドル相当のビットコインが入金されていた。
https://twitter.com/CCsirt/status/1266193853024886784