著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは……。
今回は地方自治体が受け付けを開始した新型コロナウイルスワクチンの接種予約システムの不具合と、大学病院のフィッシングによる患者情報の流出事故を取り上げる。
高齢者向けのワクチン接種予約で不具合
高齢者向けの新型コロナワクチン接種予約が2021年4月中旬以降、地方自治体で続々と開始された。電話やFAXのほか、自治体によってはWebサイトなどを使ってオンラインでも予約を受け付けた。ところが多くの自治体でワクチン予約システムに不具合が見つかり、予約開始を延期したり、予約サイトにつながりにくくなったりした。

筆者が自治体のWebサイトやTwitter・FacebookなどのSNS公式アカウントで、ワクチン予約システムのトラブルに関するお知らせを確認できたのは次に挙げた19の自治体。ただし、5月9日時点でお知らせをすでに削除した自治体を含む。また、このほかにも報道でワクチン予約システムの不具合が明らかになった自治体が複数ある。
- 山形県上山市
- 宮城県大崎市
- 埼玉県伊奈町
- 東京都中野区
- 千葉県市原市
- 千葉県木更津市
- 横浜市
- 川崎市
- 神奈川県逗子市
- 新潟県三条市
- 富山県射水市
- 富山県入善町
- 富山県小矢部市
- 富山県氷見市
- 愛知県東海市
- 大阪府岸和田市
- 大阪府羽曳野市
- 高知市
- 宮崎県都城市
多くの自治体はシステムの障害によって、予約サイトにつながりにくくなったり、予約を取りにくくなったりしたと説明。アクセス集中が原因だったとみられる。一部の自治体ではオンライン予約とコールセンターで同じシステムを使っていたため、オンライン予約でシステムの負荷が高まりコールセンターでも予約できなくなっていた。また受け付けを一時中止し、システムのハードウエアを増強したり、負荷を下げられるようにプログラムを修正したりして受け付けを再開した自治体もある。