著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは…。
2019年12月第1週に発生したトラブルを3件取り上げる。最初は、ガス会社のシステム障害である。
ガスボンベの交換作業など150件に影響(12月5日)
長崎県を中心にLPガスを販売するチョープロでシステム障害が発生した。

システム障害により2019年12月4日以降、スケジュール管理などの社内システムが利用できなくなった。ガスボンベの交換など顧客を訪問する作業約150件に影響が出たとする。同社は5日に問い合わせ窓口を設置し、電話や残っていたメモなどを使ってスケジュールの再確認を進めている。
複数の報道によれば、システムのファイルが暗号化されたことで障害が発生したという。LPガス事業に関連する業界団体の日本コミュニティーガス協会になりすました不審メールが届き、従業員がこのメールに添付されたファイルを開いたことでウイルスに感染したとみられる。
これを裏付けるように、日本コミュニティーガス協会は会員企業に対して、ウイルスに関する注意喚起を12月12日に出した。それによれば、同協会になりすましたメールの添付ファイルによりEmotet(エモテット)ウイルスに感染した事例が見つかったという。
業界団体をかたっていることから、社会インフラの1つであるガス業界を狙った標的型攻撃の可能性がある。
同社は、「専門業者の見解では個人情報の漏洩などの可能性は非常に低いとの報告を受けた」としている。
http://www.chopro.co.jp/blog_corp/archives/1437