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 Better Placeは、日本でも2009~2010年にタクシー用途での実証モデル事業を実施したが、事業モデルは受け入れられず、2013年に経営破綻した。車両の下部から電池を入れ替えるための大規模な設備を整えるのが難しく、日産以外の車両メーカーからは賛同が得られなかったようだ。

 同じく乗用EVで電池交換式に挑戦したのが米テスラ(Tesla)である。高級EVセダンの「モデルS」の質量500kg近い電池パックを「90秒ほどで積み替える」(Tesla)。2013年から米カリフォルニア州で実証を始めていたが、その後の拡大や事業化のめどが立たずにいる。

 難易度が高い乗用車での電池交換式だが、新たな挑戦者が現れた。中国・蔚来汽車(NIO)である。2017年12月に中国で電池交換式の乗用EV「ES8」を発売した(図6)。同社が手掛ける交換ステーションを使って、約3分で電池パックを交換できるという。

図6 中国・蔚来汽車の電池交換式乗用EV「ES8」(出所:蔚来汽車)
図6 中国・蔚来汽車の電池交換式乗用EV「ES8」(出所:蔚来汽車)
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 車両の購入時に、電池を合わせて購入するか、レンタルするかを決める。電池をレンタルするプランを選ぶと車両購入価格から10万元(1中国元=16円換算で約160万円)を割り引いて約600万円で購入できる(補助金適用前)。電池のレンタル費用は月額1280元(同約2万円)である。

 蔚来汽車は2020年までに1100カ所の交換ステーションを整備する計画だ。Better PlaceやTeslaの失敗を糧にできるか。