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横浜でSuicaを使ったMaaSを実証

 コンソーシアムの活動として、横浜市の臨海部で2018年10月上旬から12月上旬までの約2カ月間、「横浜MaaS」の実験を実施済みだ。

「横浜MaaS」実証実験の出発式。タクシーを借り上げて「AI運行バス」として走らせる
「横浜MaaS」実証実験の出発式。タクシーを借り上げて「AI運行バス」として走らせる
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 正式名称は「Suica認証による交通事業者・デマンド交通・商業施設の連携に関するMaaS実証」である。NTTドコモと横浜市が主導した、ライドシェア方式のオンデマンド交通「AI(人工知能)運行バス」と連携して実施した。タクシー車両10台を借り上げ、タクシーをバスに見立てて運行した。

 JR根岸線の桜木町駅・関内駅・石川町駅の周辺に、AI運行バスの31カ所の乗降スポットを設置。電車で横浜まで来た人がスマートフォンで目的地を指定して配車を要請すると、AIが最適なルートを計算し、同じ方面に向かう人が同乗してライドシェア方式で移動できるようにした。実験中は無料だった。商用化した際はタクシーよりも安く、かつ、路線バスのように乗降時刻や経路を気にせずに比較的自由に移動できるメリットを打ち出す計画だ。

SuicaをMaaSプラットフォームの中核に

 ここまでなら、電車を降りた後の2次交通を提供するにすぎず、生活全般を統合したMaaSとはいえない。JR東日本の事業への波及効果も乏しい。

 そこでJR東日本は、MaaSとグループ内の様々な事業の橋渡し役として、Suicaを全面活用する。

横浜MaaSの配車システムに、Suicaをひも付ける手順
横浜MaaSの配車システムに、Suicaをひも付ける手順
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 JR東日本は横浜の実験で、桜木町駅構内などに受付カウンターを設置。ここで利用者が持つSuicaのID番号とメールアドレスを登録し、利用者とSuicaをひも付けた。

JR根岸線の桜木町駅構内に設置した受付カウンター。SuicaのID番号とメールアドレスをひも付ける
JR根岸線の桜木町駅構内に設置した受付カウンター。SuicaのID番号とメールアドレスをひも付ける
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 登録した利用者には、AI運行バスで行ける店舗や観光施設などのクーポンを提供。AI運行バスで移動した先の店舗に設置してある、簡易型のSuicaリーダーにカードをタッチすると、特典などがもらえるようにした。将来的には、JR東日本は公共交通機関の利用で収益を確保しつつ、店舗からは送客手数料を得ることも視野に入れて検証していく。