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 これまでカウントダウン形式でお伝えしてきた「平成の10大建築」の結果を、今回は、建築ジャーナリストの磯達雄氏に読み解いてもらう。

 得票数の多かったベストテンは以下のとおりだ。

1位(16票獲得)
せんだいメディアテーク

平成の10大建築、1位は「せんだいメディアテーク」

2位(14票獲得)
金沢21世紀美術館

平成2位、古都金沢に新風を吹き込んだ円形美術館

3位(7票獲得)
横浜港大さん橋国際客船ターミナル

平成第3位、コンピューターが可能にした3次元造形

4位(6票獲得した同数4位が3件)
豊島美術館

内藤廣氏も絶賛、「平成10選」第4位の原初的空間体験

4位(6票獲得した同数4位が3件)
神奈川工科大学KAIT工房

建築史の大事件、「白い森」思わす非均質空間

4位(6票獲得した同数4位が3件)
京都駅ビル

駅ビル進化の先駆け、古都を揺るがした大階段

7位(5票獲得した同数7位が4件)
風の丘葬斎場

「建築は脇役」でも10大建築入り、公園と連続する意外な施設は?

7位(5票獲得した同数7位が4件)
馬頭町広重美術館(現・那珂川町馬頭広重美術館)

あの人気建築家が「必勝法則」をつかんだ地方の小美術館

7位(5票獲得した同数7位が4件)
東京駅丸の内駅舎保存・復原

まさかの10大建築入り!技術が過去を輝かすあの再生プロジェクト

7位(5票獲得した同数7位が4件)
関西国際空港旅客ターミナルビル

「平成の10大建築」先行公開、環境時代の先陣切ったあの空港

 そもそも「平成の10大建築」とは何か。

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 新元号が「令和」に決まった2019年4月1日、書籍「検証 平成建築史」(内藤廣+日経アーキテクチュア著)が発行となった。同書の企画として、「平成の10大建築」を選定した。建築分野のキーパーソン20人に「私の平成建築10選」を挙げてもらい、その得票数で「平成の10大建築」を選んだ。

 20人の顔ぶれは以下の通りだ。

尾島俊雄氏(早稲田大学名誉教授)
細田雅春氏(佐藤総合計画代表取締役社長)
藤森照信氏(建築家、建築史家、東京大学名誉教授)
佐々木睦朗氏(佐々木睦朗構造計画研究所代表)
内藤廣氏(内藤廣建築設計事務所代表)
河野晴彦氏(大成建設顧問)
古谷誠章氏(早稲田大学教授、ナスカ代表)
千鳥義典氏(日本設計代表取締役社長)
菅順二氏(竹中工務店常務取締役)
印藤正裕氏(清水建設常務執行役員生産技術本部長)
松隈洋氏(京都工芸繊維大学教授)
山梨知彦氏(日建設計常務執行役員設計部門設計代表)
磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
五十嵐太郎氏(建築史家、東北大学教授)
金田充弘氏(構造エンジニア、東京芸術大学准教授、アラップシニアアソシエイト)
小堀哲夫氏(小堀哲夫建築設計事務所代表)
倉方俊輔氏(建築史家、大阪市立大学准教授)
豊田啓介氏(noiz共同代表)
藤村龍至氏(東京芸術大学准教授、RFA主宰)
成瀬友梨氏(成瀬・猪熊建築設計事務所代表取締役)

 選者の1人で建築ジャーナリストの磯達雄氏に、このベストテンから何が読み取れるかを考察してもらった。
(ここまで宮沢 洋=日経 xTECH/日経アーキテクチュア、以降は磯 達雄=建築ジャーナリスト)