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曖昧な表現や相手をイライラさせる文章を書いていては、仕事力は上がらず、周囲の信頼も得られません。文章力を2日間で磨きませんか。

 システム開発会社に勤務するAさんは、数年前に現在の会社に転職したとき、自身の文章力の乏しさを痛感した。自分が作成した要件定義書や設計書のドキュメントに、上司や同僚から「こんな表現では誤解を生む」「読み手に不親切だ」といった酷評が相次いだからだ。

 「別のITエンジニアが作成したドキュメントと比較して、自分が書いた文章の分かりにくさは明白だった。前の職場では、あまり指摘されなかったので気付かなかった」(Aさん)。

 一念発起したAさんは、文章力を高める訓練を始めた。日本語の文法解説書や論旨展開のトレーニング教材を熟読し、日々のドキュメント作成に生かした。さらに、ドキュメントの提出前に印刷して推敲する作業を習慣化した。

 すると、上司や同僚からの酷評は徐々に減り、1年後には文章力に自信を持つまでになった。それに伴い、ITエンジニアとしての周囲からの評価や信頼感も上がっていったという。

文章力が高いと周囲から信頼される

 かつてのAさんのように、誤解を生む分かりにくい文章を書いても、自分では気付きにくいものである。この問題の影響は小さくない。ITエンジニア向け文章力研修の講師などを務めるある専門家は、「文章力が低いと、プロジェクトのコスト超過や納期遅延を引き起こす」と指摘する。設計書などのドキュメントのレビューや修正に時間が掛かる上に、他のメンバーがドキュメントの内容を誤解し手戻りにつながる危険性もある。近年この傾向が進んでいるという。

 逆にいえば、ITエンジニアが文章力を高めれば、手戻りが減り、プロジェクトの生産性が上がる。文章力の高いエンジニアは、周囲から信頼される。

 そこで本特集では、ITの現場でよく見られる典型的な悪文を「アイマイ表現」「イライラ表現」に分け、合計で9つ紹介する。前者は、内容が曖昧で、読み手によって解釈が異なる危険性のある表現。後者は、間違ってはいないが、読み手の思考を妨げてイライラさせる表現だ。それらを反面教師として、文章力を高めたい。

現場のドキュメントで問題になりやすい、典型的な日本語表現
現場のドキュメントで問題になりやすい、典型的な日本語表現
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