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 現在、自動車業界はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代への対応に追われている。過去10~20年と直近のCASE時代では、何が異なるのだろうか。完成車メーカー(OEM)の主戦場がクルマ造りからサービスに移行してきており、OEMが顧客との接点を維持するためにモビリティーサービスへの進出を余儀なくされている。結果として社内のリソースがサービス・アプリケーション開発に振り分けられ、全体的な開発人材不足に陥っている。つまり、過去の10~20年はOEMが主導で開発を進めてきたが、最近はOEM単独での開発に限界が近づいているところが大きな違いである。

 直近のCASEトレンドを振り返ると、コネクテッドについてはトヨタ自動車が2002年にテレマティクスサービスとして「G-Book・G-Link」を立ち上げ、ナビゲーションやインフォテインメントに加え、オペレーターによる車載端末の設定や情報の検索サービスを展開してきた。日産自動車やホンダも「カーウイングス」や「インターナビ」の名称で、2002年にサービスを始めた。

 自動運転・先進運転支援システム(ADAS)については、トヨタのSUV(多目的スポーツ車)「ハリアー」が2003年にプリクラッシュセーフティシステムを、ホンダのセダン「インスパイア」が同年に追突軽減ブレーキにシートベルトのプリテンショナー機能を組み合わせたシステムを導入するなど、2000年代前半には各社が自動運転の「レベル1(SAE基準)」の車両を市場に投入した。

 また、1996年には警察庁や通商産業省(当時)、運輸省(同)、郵政省(同)、建設省(同)が共同で、「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」を策定。以来、ITSの将来ビジョンに向けた国家的な取り組みを推進してきた。

 シェアリングについては、以前からカーリース・レンタカーといった利用型のサービスは根付いていた。電動化についても、トヨタがハイブリッド車(HEV)「初代プリウス」を1997年に発売した。

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