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 さあ、あなたなら、どうやって勝利を目指しますか? クルーならば「議論」パートで疑われて追放されないようにするため、できるかぎり2人以上で行動したほうがいい。なぜならアリバイを証明してくれる人ができるからです。しかし、もし一緒にいるクルーが本当はインポスターだったら逆効果です。やはり気が抜けないなぁ……と、全員が疑心暗鬼の中でプレーすることになるのです。このスリルが楽しいのですよ。

最大の魅力は動画を見れば理解できる分かりやすさ

 ここまで基本ルールを説明しましたが、まだピンと来ていない方も多いでしょう。ぜひネットでゲーム名を検索してみてください。有名実況者から一般の人まで、さまざまな人のAMONG USプレー動画が発見できるはずです。芸能人やタレントなど著名人によるプレー動画もあります。それらの人たちが口八丁手八丁でだまし合いをしている動画を見れば、どんなゲームなのかを直感的に理解できると思います。

昔ながらのゲームのようなシンプルな画面
昔ながらのゲームのようなシンプルな画面
むしろゲームに慣れていない人に「わたしでも楽しめそう」と思わせる効果があったようだ。((c) Innersloth LLC)
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 そう。この「動画を見ただけでルールや遊び方を直感的に理解できる」というところこそが、AMONG USの最大の特徴なのです。

 ミニゲーム部分はさして重要ではなく、コアは「だまし合い」ですから、ゲーム知識が一切無くてもプレー動画は楽しめます。あらゆる人が直感的にゲームを理解できて、プレー動画を楽しく眺められ、いつしか自分もプレーしたいなぁという気持ちになっていく、そんな仕組みになっています。

 さらにいうと、AMONG USはあまりうまくない人のプレー動画も面白いんですよ。「そんなプレーしたら、インポスターだとバレちゃうだろ!」「おいおい、なんでそんな見え見えの嘘を見破れないんだよ!」と、ツッコミを入れながら楽しむこともできる。つまり誰がプレーしても「実況映え」するゲームであり、だからこそゲーム実況から人気に火が付いたのです。下手な人でも楽しめるゲームなら自分も楽しめそうだという安心感を与える効果もあり、それがダウンロード数の爆発的増加につながったのかもしれません。

 そう考えると、ステイホームの時間が増え、必然的にネットなどを眺める時間が増えた2020年、AMONG USが全世界的な人気を獲得したのも不思議ではないように思えます。まだまだ新型コロナウイルス感染症と付き合う時代が続きそうな昨今、「実況映えする」や「ゲームに慣れていない人が直感的に面白さを理解できる」といった特徴が、ユーザーの支持を得てヒットする重要なポイントになりそうです。

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)
ゲームジャーナリスト
野安 ゆきお(のやす・ゆきお) 1968年生まれ。ファミコン時代からゲーム雑誌編集部に所属し、ゲームジャーナリストとして活動。1000本以上の家庭用ゲームを仕事としてプレーし、100冊以上のゲーム攻略本の制作に参加。その後、編集プロダクション勤務を経て、現在はフリーで活動中。ご連絡はTwitterアカウント @noyasuyukioへどうぞ。