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 据え置き型のゲーム機は一般にリビングのテレビの周辺に設置されます。「大きくて邪魔だな」と思われることを避けるため、一般的なゲーム機は巨大化することにためらいがあるものなのです。基本的に高性能を追求してきたプレイステーションシリーズも、現行の「PS4」「PS4 Pro」までは高性能を追求しつつも、ほどほどの本体サイズにまとめられていました。

 しかしPS5は違います。これだけ性能がすごければ文句はあるまい! とばかりに、これまでより本体をひとまわり大きくしてきました。そして、小さな子どもが遊ぶためのゲーム機じゃないよ! とこれまで以上にスタイリッシュなデザインにしてきたのです。ゲームファンをうならせる、とてつもないモンスターマシンに仕上げるよ、という宣言なのです。家庭用ゲーム機史上、おそらく最強・最速のマシンでしょう。

PS4本体と同時に発表された周辺機器
PS4本体と同時に発表された周辺機器
2種類の本体に加え、「DualSense ワイヤレスコントローラー」、3Dオーディオに対応した「PULSE 3Dワイヤレスヘッドセット」、プレーヤーの姿を高画質で配信できる「HDカメラ」なども発表された。
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過去のものになった「次世代機戦争」

 本来ならば、ここでゲームソフトの中身について解説すべきなのですが、今回は本体デザインをオンライン発表した段階で、まだソフトに触れません。ゲームの楽しさなどの解説は次の機会に譲ることにして、ここでは今後のゲーム市場について語ってみます。

 PS5、そしてほぼ同時期に発売される米マイクロソフトの「Xbox Series X」の登場で、これまで新しいゲーム機が出ると話題になってきた「次世代機戦争」という言葉は、ついに過去のものになりそうです。現在のゲーム市場はあまりに広大で、年齢・性別・国籍がまちまちの、多様なユーザーのクラスターがそれぞれ数億人単位で存在します。1種類のゲーム機ですべて市場を圧倒できるような小さな市場ではなくなっているからです。

 2018年に発売された任天堂の「Nintendo Switch」は、性能面の追及をほどほどに抑える代わりに、据え置き型なのに持ち運べる小型軽量化を目指しました。いつでも、どこでもゲームを楽しめる方向に進化し、小さな子供がいる家庭などのファミリー層をメインターゲットに絞り、すべてのゲームユーザーを席巻するのは無理になった時代に対応したのです。結果として鮮やかにファミリー層市場をほぼ制圧し、史上最速ペースでの普及に成功しました。

PS5発表イベントでSIEが同時発表したドライビングゲーム最新作「グランツーリスモ7」
PS5発表イベントでSIEが同時発表したドライビングゲーム最新作「グランツーリスモ7」
プレイステーションシリーズの看板タイトルでPS5のローンチタイトルの1つになる可能性が高い(出所:YouTubeのSIEオンラインイベント)
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