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 2020年9月10日(つまり本日)、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が誇るIoT(Internet of Things)おもちゃ「toio」に、驚くべき新作タイトル「おんがくであそぼう ピコトンズ(以下ピコトンズ)」が加わる。本来、プログラミングで動くマッチ箱大の自走ロボットであるはずのtoioを手でつかんで動かすと、手元の「プレイブック」や「プレイマット」が、自由自在な楽器に変わる。小さな子供でも買ってすぐに楽しめて、いつの間にか自作の曲を作る、つまり作曲ができるレベルまでたどり着ける画期的なタイトルだ。

「おとをたのしむ」のが「音楽」だぜ!
「おとをたのしむ」のが「音楽」だぜ!
(イラスト:闇雲)
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とにかくすぐに音が出る、しかも超楽しい

 8月某日、開発中のピコトンズが手元に届いた。僕はもともとtoioのファンで開発発表の段階から注目し、初期モデルを入手し、子供そっちのけで遊んだほどだったので、編集部から「事前レビューしませんか」と声がかかったのだ。

「おんがくであそぼう ピコトンズ」
「おんがくであそぼう ピコトンズ」
ソニー・インタラクティブエンタテインメントのロボットトイ「toio」向けの新タイトルで9月10日発売。価格は税別5980円。toio本体とのセットで少しお得な「バリューパック」(税別1万9980円)も用意する(出所:SIE)
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 箱を開けるのももどかしく、ちょっと遊んですぐに感じたのは「触っただけですぐ音が鳴り出す!」という驚きだった。当たり前に聞こえるが、操作を覚える必要もなくいきなりいろんな音が出るとやはりびっくりする。

 しかも本来はプログラムに従って自走する技術の塊の超小型ロボットであるはずの「toioコアキューブ(以下、キューブ)」に、あろうことかヘルメット(「ピコトンズフィギュア」と呼ばれる)をかぶせ、手でつかんでマットや「プレイブック」の上で動かして遊ぶのだ。

ピコトンズはキューブを手に持って遊ぶ
ピコトンズはキューブを手に持って遊ぶ
ピコトンズフィギュアと呼ばれるヘルメットとカバーをかぶせ、「キャラクターみたいになる」(開発したキッチンの河島知都さん)(出所:SIE)
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 キューブを手に持ち、付属の「プレイブック」や「えんそうマット」などにキューブを乗せてなぞるだけでいろんな音が鳴る。楽器だけではなく、お父さんのいびきやおなら、蛇口をひねって水を出す音といった子供が喜ぶ音もある。超楽しい。

うたも歌えるピコトンズ「日経クロステック」を歌うデモ(提供:SIE)

 ピコトンズの開発に音楽監修で関わった作曲家の烏田晴奈さんにもインタビューしたのだが、「いろんな音を鳴らして楽しむのが自分の音楽体験の原点だった」と話していた。実際、ピコトンズには約300種類以上もの音源を組み込んでいるという。さまざまな楽器の音色だけでなくラップの掛け声なども入っている。歌も歌える。「ハンバーグを焼く、ニンジンを刻むといった環境音にもこだわった」(烏田さん)と楽しそうだ。

新里がプレイブックで遊んでいる様子
新里がプレイブックで遊んでいる様子
(写真:新里 祐教)
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 よくできてるなと思うのはピコトンズの「教科書」と言っていいプレイブックの造り。おとうさんのおならの音に笑い、ミニゲームをこなし、音を出して遊びながらプレイブックを行ったり来たりしてるうちに、楽器としてのピコトンズのおおよその操作が分かってくる。それだけではない。実は音楽の基礎であるリズム、メロディー、ハーモニーも自然と覚えてしまうしくみになっているのだ。

蛇口をひねる、水を入れる、多すぎた! 飲む

じゃぐちをひねって水を出している
じゃぐちをひねって水を出している
(写真:新里 祐教)
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 ピコトンズのプレイブックで僕がいちばん感心したのは「じゃぐちとみず」だ。水の量が異なるコップを指で弾くと異なる音色で音が鳴る。子供の頃にこんな遊びをした人は少なくないと思うが、この体験をプレイブックのたった1ページで再現して見せている。

 じゃぐちとみずのページにはコップが5つと蛇口が3つ描かれている。両端のコップは満タンと空っぽ。間にある3つのコップにちょうどいい音色になる量の水を入れるというゲームになっている。