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 師走に入り、激動の2020年も終わりが見えてきました。今回は冬休みを迎えたお子さんと楽しく遊べる大傑作タイトル「ピクミン3 デラックス」の面白さの秘密をみなさんに紹介したいと思います。

オレがリーダーだ! あれ? おい、言うこと聞けよ!
オレがリーダーだ! あれ? おい、言うこと聞けよ!
(イラスト:ヤミクモ)
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 「ピクミン」は任天堂の数ある名作ゲームタイトルの中でも最も不運なシリーズの1つだとわたしは常々思ってきました。中身はとてつもなく面白く、シリーズ1作目からゲームファンの評価は抜群に高い。名前を聞けば多くの人が「色とりどりの生き物ピクミンが出てくるかわいいゲームだよね」と答える。つまり知名度も高いのです。

「ピクミン3 デラックス」のタイトル画面
「ピクミン3 デラックス」のタイトル画面
あまりに独創的なのにシンプルで面白い大傑作です。(ゲーム画面を著者がキャプチャー:(c)2013-2020 Nintendo)
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 なのに実績を見るとピクミンシリーズはまるでヒットしていません。2001年に発売された初代「ピクミン」が全世界で約160万本、2004年に登場した「ピクミン2」と2013年の「ピクミン3」は100万本ちょっと。立派な数字とも言えますが、1000万本ヒットがゴロゴロしている任天堂のタイトル群の中ではやはり見劣りがします。

 でもこの実績はゲーム内容のせいではないとわたしは断言します。2001年発売のシリーズ1作目、2004年発売の2作目はどちらも「ニンテンドー ゲームキューブ」向けのタイトルでした。任天堂の歴史の中でも正直言って普及に苦戦したハードです。タイトルの方の本数が伸びなかったのも致し方ないのです。

 そこから9年後、満を持して2013年に登場したシリーズ3作目はゲームファンの間で「シリーズ最高」との呼び声も高い大傑作でした。しかし今度のハードはやはり苦戦した「Wii U」だったのです。なんという不運でしょうか。結局、ピクミンは名前とキャラクターは有名なのに、世間の人がほとんど遊ぶことなく歴史に埋もれそうになっていました。

ピクミンとともに、小さな世界で大冒険

 2020年10月30日にNintendo Switch向けタイトルとして登場した「ピクミン3 デラックス」(5980円(税別)/販売:任天堂)は、こんな傑作タイトルであるピクミン3をNintendo Switch向けにリメークした作品です。これでピクミンの不遇もいよいよ終わるかもしれません。いや、ぜひそうあってほしい。

 ピクミン3のどこが「とてつもなく面白い」のか。

ピクミンの世界はすごーく小さい
ピクミンの世界はすごーく小さい
空き缶がこんなに大きく見える世界での冒険となる。主人公はものすごーく小さいのです。(ゲーム画面を著者がキャプチャー:(c)2013-2020 Nintendo)
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 最初のポイントはゲームの縮尺です。このゲーム、実はとてつもなく「小さな世界」を描いています。あなたの身体がものすごーく小さくなって、アリくらいの大きさになって草むらを探索したらどうなるだろう? とイメージしてみてください。わくわくするような不思議な冒険が楽しめそうですよね。

 ピクミン3デラックスはその感覚を味わえます。資源調査のために3人の隊員(プレーヤー)が謎の惑星(恐らく地球がモデルですが明示されていません)を訪れるところからゲームはスタートします。この隊員たちの体がものすごーく小さい。だから謎の惑星のちょっとした空き地が危険極まりない冒険の場となりちょっとした水路が越えられない障害になるのです。