台湾の華碩電脳(エイスース、ASUS)がセンセーショナルなノートPC新モデル「ZenBook Pro Duo」を発売した。久々に見る2画面パソコンで、かつしっかりとしたキーボードが付いているのがポイントだろう。つまり2つめのディスプレーは、パームレストに相当するスペースに搭載されているのだ。パームレストが無くなった代わりにキーボードは手前に下がり、必要に応じて外付けのパームレストを取りつけられる。
CPUに8コアのCore i9を搭載し、グラフィックスはGeForce RTX2060というハイエンド構成である点も見どころだ。価格も立派で上位モデルは46万6500円、下位モデルでさえ36万1500円(いずれも直販価格、税別)となっている。
久々に見る、良い意味で常軌を逸したパソコンの完成度はいかばかりか。担当者へのインタビューを交えながら詳しくレビューしていこう。
ターゲットはクリエーターだった
この超高性能のPCは、どんなユーザーに向けて開発されたのだろうか。まずはそこが気になった。
ASUS JAPANシステムプロダクトマーケティング マーケティングスペシャリストの熊谷歩美氏は「映像制作、画像編集、Webデザインなどを手掛けるコンテンツクリエーターをターゲットにしている。このカテゴリーで強いのはMacだと思うが、Windowsに目を向けてくれるきっかけにしたい」と話す。
つまりエイスースは、そもそも大量に売れるモデルとして考えていないわけだ。ちなみに、このモデルは発売当初は日本以外に3カ国でリリースされたが、日本が一番好評だったという。現在はより多くの国で販売されている。
クリエーター向けとして、超高性能であるというのは確かに理にかなっている。だが、このカテゴリーも競争は厳しい。Macも強いし、Windowsのデスクトップを使っている人も多い。そしてこの価格だと、同じ性能のデスクトップPCのほうが安くあがる。
だから、2画面で勝負しているわけだ。