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 コスト面の不満が多いのは、保守料金を含むメインフレームのコスト負担が大きいからだろう。COBOLシステムはオープン環境でも動作可能だが、まだまだ多くの企業ではメインフレーム上で稼働させているとみられる。他のシステムと比べて相対的にコストが高くなり、「お荷物」という社内のレッテルを貼られる一因になっている可能性がある。

 実際、ハードウエアのコストについては、以下のようなコメントが寄せられた。

 COBOLシステムを稼働させるホストが高価。長い目で運用・保守を考えれば、アップデートに対応しやすいWindowsなどが運用上の大きなメリットになると感じている。(40代、社内SE)
 COBOLシステムの性能を生かすには、メインフレームを使わなければならない。ハードウエアやメンテナンスのための費用がかさむことは大きなマイナス点である。(40代、SE)

 一方、ユーザー企業の回答者の中には、画面の自由度の低さに不満を持つ声も目立った。逆にこの問題が解決されれば、当面使い続けたいというコメントもあり、COBOLの致命的な短所として挙げられそうだ。

 COBOLはバッチ処理が得意だが、操作画面の自由度が低く、実行環境ごとにインターフェースが異なっていて分かりづらい。このあたりがうまく統一されれば、また使いたい言語でもある。(50代、社内SE)
 システム操作画面が拡張されていれば、より良い基盤として存続できたと思う。(50代、ITアーキテクト)

新規案件がなくIT企業が離れる

 では、IT企業の回答者は、COBOLに対して何を短所として感じているのだろうか。集計の結果、第1位は全体およびユーザー企業と変わらず「COBOLエンジニアの確保が難しい」(378人)だった。

 注目したいのは、第2位以降だ。第2位は「新規開発案件が少ない」(275人)となり、IT企業としてビジネス上の魅力の乏しさを挙げている。

 続く第3位は「古い開発言語で将来性がない」(244人)。ユーザー企業の回答者と比べると、COBOLシステムの案件の減少や将来性を不安視する回答が多かった。

COBOLに対する短所のイメージ(IT企業)
COBOLに対する短所のイメージ(IT企業)
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 自由記入欄には、COBOLシステムの新規案件減少によって、適切な人材を配置できない状況が分かる。結果、IT企業のCOBOLエンジニア不足や技術力低下を招いているようだ。

 COBOLは新規開発で検討もされないことが多く、稼働中のシステムを保守するだけになっている。これでは、新たな人材の育成につながらない。(50代、SE)
 COBOLエンジニアは保守メンテナンスがメイン業務となっており、新規開発など経験が少なく技術力が低下している。(30代、SE)
調査概要
「COBOLに関する実態調査」という名称で、Webサイトによるアンケート形式で実施した。調査期間は2019年3月4日~3月15日。SE(システムエンジニア)やプロジェクトマネジャー、研究開発、セールスなどITにまつわる仕事をしている1348人から有効回答を得た。回答者の年齢は、20代以下が4.5%、30代が13.1%、40代が26.7%、50代が39.9%、60代が12.5%、70代以上が2.0%、無回答が1.3%。職種は、経営層が6.1%、コンサルタントが5.2%、プロジェクトマネジャーが11.4%、ITアーキテクトが3.9%、SEが36.1%、プログラマーが5.6%、セールスが1.7%、システム運用/サポートが5.9%、研究開発が2.5%、Webデザイナーが0.1%、社内SE(システム部門)が10.9%、その他が9.7%、無回答が0.9%。