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復元工事に着手する前の森村橋(既設トラス橋)。1906年に架設された。2018年10月撮影(写真:大村 拓也)
復元工事に着手する前の森村橋(既設トラス橋)。1906年に架設された。2018年10月撮影(写真:大村 拓也)
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既設トラスの格点部。ピン結合する下弦材と斜材の端部などに腐食が目立つ(写真:大村 拓也)
既設トラスの格点部。ピン結合する下弦材と斜材の端部などに腐食が目立つ(写真:大村 拓也)
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解体中の森村橋。赤い既設トラスの両側に設けた灰色の仮設トラスに荷重を移しながら、既設トラスの部材を切断、撤去する。2019年1月撮影(写真:大村 拓也)
解体中の森村橋。赤い既設トラスの両側に設けた灰色の仮設トラスに荷重を移しながら、既設トラスの部材を切断、撤去する。2019年1月撮影(写真:大村 拓也)
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 1906年に架設された森村橋。橋長約40mの鋼単純下路式曲弦プラットトラス形式の橋で、国の登録有形文化財に指定されています。しかし、老朽化による損傷が激しく、2003年には通行止めに。そこで、地元の静岡県小山町は「ふるさと納税」を使って復元工事を進めました。

 工事ではまず、既設トラスの両側に仮設トラスを組み立てて合成した後、既設トラスの部材を解体・撤去して、工場で修理します。次に、復元した部材を仮設トラスにつないで架け直し、最後に仮設トラスを撤去するという珍しい工法を採用しました。

 施工者を悩ませたのが、既設トラスの解体です。既設と仮設が一体となった合成トラスから、既設トラスの部材を切断します。

 最も影響が小さい部材から切断を開始。鋼部材に熱を加えてあめ状にしながら、限界まで延ばして切る方法を採用しました。ところが、切断時に想定以上の衝撃と振動が発生し、吊り足場が大きく揺れたのです。工事現場に緊張が走りました。

 切断時に解放される応力の影響を最小限に抑えるにはどうすればよいか――。施工者は協力会社からの提案を受け、別の切断方法に改めました。部材の全断面を一気に切らず半分くらいで止め、次にその両側の断面を反対側から切る方法です。

 現場ではこの独特の切り方を何と名付けたでしょうか。

  1. W切り
  2. Y切り
  3. 真空斬り