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 米国東海岸に「世界で最も美しい」と呼ばれる鋼橋があります。1931年に完成したスパン500mを超す中路式アーチのベイヨン橋です。完成当時から77年まで、世界最長の鋼アーチ橋でした。ニューヨーク州ニューヨーク市とニュージャージー州ベイヨン市の間にあるキル・バン・カル海峡に架かっています。

2014年に撮影したベイヨン橋(写真:ニューヨーク州議会)
2014年に撮影したベイヨン橋(写真:ニューヨーク州議会)
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ベイヨン橋の全体側面図。ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社の資料を基に日経クロステックが作成
ベイヨン橋の全体側面図。ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社の資料を基に日経クロステックが作成
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 ベイヨン橋を設計したのはオスマー・アマン。同氏はニューヨーク市で他にも、ジョージワシントン橋やベラザノナローズ橋などの設計も手掛けました。米国土木学会は1985年、ベイヨン橋を歴史的土木建造物として認定しています。

 ところが、ベイヨン橋は2000年代に入って大きな問題が生じました。パナマ運河の拡張などによってアジアから米国の東海岸まで超大型船が就航できるようになったのですが、船がベイヨン橋の下をくぐれず、コンテナターミナルなどがあるニューアーク港まで入れなくなったのです。

 海面からベイヨン橋の橋面までの高さは約46m(151フィート)。超大型船が橋の下をくぐるには、約65.5m(215フィート)を確保する必要がありました。

 この問題を解決するために、橋を管理するニューヨーク・ニュージャージー港湾公社はどのように対処したでしょうか。

  1. アーチの橋面を20mほど上に付け替えた
  2. 高さ150mの主塔を持つ斜張橋に架け替えた
  3. 海底に直径20mのシールドトンネルを掘った