パナソニックは、可視光の3波長(3原色)に加えて近赤外光を取得できるセンサーを開発した(図1)。人には見えない近赤外光を生かすことで、例えば人には見せず、マシンビジョンだけに見せるマークを商品に付けるといった応用が可能になる。
センサーは、同社が実用化を進めている有機薄膜型イメージセンサーを基にしている。これまで同社は、123dBという高いダイナミックレンジやグローバルシャッター方式への対応を有機イメージセンサーで進めてきた。今回、これら2つの特徴を維持しつつ、近赤外光域の撮影機能を加えた。今回の試作品は、電圧制御によって、可視光域と近赤外光域の撮像を切り替えられる。
可視光域と近赤外光域の撮像を切り替えるには一般に、イメージセンサーとレンズの間に配置する赤外光カットフィルターを可動機構によって挿抜するか、可視光域と近赤外光域向けにそれぞれイメージセンサーを用意する必要があった。今回の有機イメージセンサーであれば、外付けの赤外線カットフィルターやその可動部、あるいは赤外域向けイメージセンサーを使わずに済む。