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メカプロトと呼ばれる最初の試作車が完成し、意気上がる「RX-8」の開発陣。ところがそこに難問が持ち上がった。燃費が開発目標に達しないのだ。これに対応すべく、一層の軽量化に取り組む任田功らの前に、1人の男がさらなる無理難題を持ち込んできた。シャシー開発の小田昌司である。

小田昌司
小田昌司
(写真:滑 恵介)

 「どうしてもパフォーマンスロッドは付けなきゃならん。おまえだって分かるじゃろ?」

 シャシー開発の小田昌司は、パッケージ開発の任田功に迫った。パフォーマンスロッドとは車体後端部の左右のサイドメンバーを結合する補強材である。

 「そうは言うけど、今最優先でやらんといかんのは燃費ですよ。そのために、こっちは1gでも軽くしようと努力してるんです。そんな最中に部品を追加したいと言われても、はいはいとは言えんですよ。小田さんだって分かるでしょ」

 状況が状況だけに、任田としても安易に首をタテに振るわけにはいかない。

 「そもそも、何kgくらい増えるんですか、それで」

 「3kgくらい、かな」

 「3kgも」

 「いや、この3kgがだなぁ、どれだけの…」

 「効果抜群というわけね。はいはい分かりました。何とかしますわ。けど、1kgが限度です。2kgは足回りの方で」

 「よし、それで決まりじゃ」