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 「会社の経営が、なんだかしっくり来ないんですよ」。

 これは、とある社長(以下、A社長)の言葉です。「会社の経営」というと、かなりザックリした表現ですが、これを言った時のA社長は、まだそのくらいの整理しかできていなかったようです。確かに、モヤモヤが言葉にならない時ってありますよね。

 A社はここ数年の間、商品を出すことは出していたそうですが、A社長はその状況にモヤモヤとした違和感を感じていたそうです。

 A社長はモヤモヤを解消しようと私のセミナーに参加しました。そこからA社と私の付き合いがスタートしました。最初の打ち合わせでは、問題意識を話してもらったのですが、そこで冒頭の言葉が飛び出しました。話を聞くと、A社長の「なんだかしっくり来ない」というモヤモヤは、A社長の直感からきているようでした。

 A社長はオーナー社長です。もしかすると、読者の皆さんは「オーナー経営者の直感は当たるもの」と思っていませんか。コンサルタントとして実際にさまざまな会社を見ていると、そうとも限らないというのが実感です。当たる場合もあれば、当たらない場合もあります。

 私が聞いたA社の現状はどうだったかといえば、過去数年、A社では曲がりなりにも複数の新商品を投入していました。新商品を投入しているだけでも及第点といいますか、多くの中小企業が自社商品を出せない中で、新商品出しているだけでもマシだったと思います。しかし、それらの商品がヒットしたかというと、売れ行きはあまり芳しくなかったのです。

 とはいえ、会社は黒字。しかも利益率は高い方。一般的には満足してもおかしくない数字です。そのため、A社長のモヤモヤは、平均より上の利益水準であることや新商品が出せていることが原因ではないようです。

 では、何が原因だったのか──。A社長は冒頭にあった「会社の経営」としか表現しませんでしたが、原因は社長の直感にあるようです。私は、今回はA社長の直感が当たっているように感じました。