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中村大介
中村大介
高収益化支援家、弁理士

 緊急事態宣言が解除されました。一方ビジネスの現場では、Web会議が当然のようになり、ハンコもなくなろうとするなど、従来の価値観が大きく変わろうとしています。通勤や紙の稟議(りんぎ)など不要なことはしなくてよいことに多くの人が気づきました。新型コロナ前の日常がそのまま戻ることは絶対にありませんから、アフターコロナを見据えた準備をしたいものですね。

 前回は、実践的な技術戦略の立て方について、体制面でのあるべき姿を解説しました。今回は技術戦略についての考え方を1つ紹介します。

 その前に海外と比較した日本企業の現状について確認をしてみましょう。承知の人も多いと思いますが、日本企業の生産性は諸外国と比較して低いことが知られています。

 図1に示すのは、研究開発投資の投資対効果(図中では効率)の国際比較です。縦軸の研究開発効率は、付加価値(粗利と賃金の合計)と研究開発費について前後5カ年の移動平均を取り、5年差の比を求めることで算出されています。図1に示される通り、諸外国に比較して日本の研究開発効率は経年で下がっています。

図1●「日本企業のこれからの持続的な価値創造に向けた研究開発投資に求められる投資家との対話・情報提供の在り方」
図1●「日本企業のこれからの持続的な価値創造に向けた研究開発投資に求められる投資家との対話・情報提供の在り方」
(出所:経済産業省、デロイトトーマツ)
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 上記のような生産性低下の理由として横並び競争が挙げられます。競合と同じような商品を扱うために価格競争になるというものです。その背景にあるのは研究開発投資の内訳です。

 図2に示すのは、研究開発投資の内訳です。定量的な調査ではないものの、9割程度はモデルチェンジなど既存技術の改良であり、市場開拓型や非連続研究などは残り1割にすぎないことが報告されています。

図2●「日本企業のこれからの持続的な価値創造に向けた研究開発投資に求められる投資家との対話・情報提供の在り方」
図2●「日本企業のこれからの持続的な価値創造に向けた研究開発投資に求められる投資家との対話・情報提供の在り方」
(出所:経済産業省、デロイトトーマツ)
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