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中村大介
中村大介
高収益化支援家、弁理士

 新型コロナウイルス感染症の重症者数が増え、いつものような年末年始を過ごせない状況になりつつあります(2020年12月15日執筆時点)。世相は厳しいのですが、私のクライアント企業の皆さんは意外にも楽しそうに仕事をしています。その理由を2つ挙げると、まず、仕事をしているみんなが冗談を言い合える仲だから。オンライン会議では必ず笑いが出て、会話やアイスブレイクを楽しんでいるという雰囲気を感じます。

 もう1つは、「実のある議論」ができているから。実のある議論とは、従来の延長線上にはない、業界初の商品開発に関する検討のことです。どんなに忙しくても、自分で創造しているので楽しいのです。

 読者の皆さんも、楽しく実のある議論をしたいと思いませんか。また、どうすればそうできるのかを知りたいと思いませんか。

 今回のコラムでは、もうかる会社の社員が楽しそうに働ける理由について書いていきます。このコラムを読めば、きっと楽しく働く環境づくりができるようになると思います。

 技術戦略策定時に私が直面する課題の1つに、クライアント企業の社員のエンゲージメントの低さがあります。エンゲージメントが低いというのは、要するに「やらされて仕事をしている」という意味です。「やらされ」だと自発的なやる気は起きません。

社員のエンゲージメントの低さ

 とはいえ、戦略づくりというのは日常業務にはないことですから業務量が増えます。従って、いくら経営者の命令といっても、やりたくないと感じる人がいても不思議ではありません。ここでは、このような「やりたくないけど、やらなければならない状態」を「エンゲージメントが低い」と表現します。

 エンゲージメントが低い状態で技術戦略を策定しようとすると、良いことが起りません。というのは、そもそも戦略策定とは差異化やコストリーダーシップなどの戦略を決めようとするものだからです。競合にはない、もしくは従来にないことをやろうとする活動ですから、ストレッチが必須なわけです。

 ストレッチが必須なのに、そのストレッチが「やらされ」だったら本人もやらせる側も嫌でしょう。まるで親に塾に行くことを強制されている受験生のようです。本人は遊びに行きたいのに、「やらされ」て勉強を強制されれば成績が伸びないのも当然です。

 一方で、成績が伸びる子もいます。そうした子は、勉強をしっかりと自分事として捉えています。勉強することが自分にとってどういう意味があるのかをよく知っているため、勉強をやらされるのではなく、自分のこととして捉えることができるのです。

 企業における技術戦略の策定でも同じことが起こります。「やらされ」の子と「自分事として捉えられる」子の成績が違うように、エンゲージメントが低い会社と高い会社とでは技術戦略のレベルが違うということです。

 子どものやる気をどうすれば引き出せるかについて親の関心が高いのと同様に、社員のエンゲージメントを引き出す方法論は経営者にとって関心が高い分野です。技術戦略の質を高めるためには、社員のエンゲージメントを高めることが必須だからです。

 では、技術戦略においてどのようにしたら社員のエンゲージメントを高められるのでしょうか。

(作成:筆者)
(作成:筆者)
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