楽天は驚異のスピード成長によって創業22年目で連結売上高が1兆円を超えた。国内の経営基盤は盤石だ。EC(電子商取引)とFinTechの両輪でバランス良く稼ぐ。ただ海外事業は道半ば。米アマゾン・ドット・コムの背中は遠い。データを基に楽天の強みと課題を浮き彫りにする。
国内ECとFinTechが稼ぎ頭
「楽天市場」が中心の国内ECと、カードや銀行などのFinTechでそれぞれ3割超を稼いでおり、バランスの良い事業構造になりつつある。今秋に参入する携帯電話事業をいかに早く軌道に乗せるかが今後の成長の鍵を握る。
国内の売上高が8割を占める
日本の売り上げが8割弱を占めている。海外事業の拡大に時間がかかっており、電子書籍の「楽天Kobo」や対話アプリ「Viber」などは赤字だ。2015年に買収した図書館向け電子書籍配信の「OverDrive」は黒字だ。
連結売上高が初めて1兆円を超えた
楽天は1997年の創業以来、連結売上収益(売上高)が初めて1兆円を突破した。5000億円に到達するまでに15年以上を要したが、そこから1兆円までは3分の1以下で到達した。創業から20年あまりでの1兆円超えはソフトバンクグループより3年ほど早い。