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いよいよ最終決戦

 3回目のコンペに向けた岩城の秘策は、ホンダのイメージであるスポーティーさを強調することだった。そのために、タイヤホイールを張り出し、ライトをさらにとがらせ、張り出させる。気が付いてみるとそのデザインは、欧州案を凌駕(りょうが)するほど個性の強いものになっていた。

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3回目のコンペで並んだ実物大モックアップ・和光案
3回目のコンペで並んだ実物大モックアップ・和光案
(出所:ホンダ)
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 1999年春、岩城は最後のコンペに臨むため、欧州に向かう。英国、ドイツ、フランス、イタリアの4カ国を巡り、消費者の評価を集めるのだ。

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3回目のコンペで並んだ実物大モックアップ・欧州案
3回目のコンペで並んだ実物大モックアップ・欧州案
(出所:ホンダ)
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「面白かったですよ。あれはイタリアだったと思います。その辺を買い物かごを提げて歩いてそうな普通のおばちゃんが言うんです。『見て見て。ねえ、このラインが素晴らしいじゃない?』とか。もう、語る語る。さすがデザインの国だと感心しました」

 その、本場欧州で支持を集めたのは、いかにも欧州車らしい欧州案ではなく和光案だった。「オリジナリティーを感じる」「スポーティーでアグレッシブだ」。それは絶賛に近かった。