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もともとの所有者は「GMA Industries」

 メールサーバーの多くは、存在しないメールアドレス宛てのメールを受け取るとエラーを返す。だがgmai.comのメールサーバーは、どのアドレス宛てのメールでも受信してエラーを返さない。まるでブラックホールのようで、誤送信メールを受信するために設置されているようにも見える。

 しょっちゅう話題に上るgmai.comだが、所有者は分かっていないようだ。ドメインの所有者に関する情報を調べられるWHOISを使っても手がかりはない。Webブラウザーでgmai.comにアクセスしても広告サイトが表示されるだけだ。

 ただ、ドメイン自体はGmailが始まった2004年よりも以前から存在する。コミュニティー型ニュースサイトであるスラドへの投稿によると、米国のGMA Industriesという企業が1991年からgmai.comを保有していたという。

 実際、過去のWebページを保存している米Internet Archive(インターネットアーカイブ)のサービスで確認すると、GMA Industriesがgmai.comを所有していたのが分かる。

gmai.comのWebサイトに掲載されていた会社情報
gmai.comのWebサイトに掲載されていた会社情報
(出所:米Internet Archive)
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 同投稿によると、その後別の企業に移転されたという。

「PPAP」も効果なし

 メールの誤送信はどうすれば防げるのか。

 防止策の1つとして挙げられるのが、メールソフトなどの補完機能を使って、登録してあるメールアドレスにしか送信しないようにする方法だ。

 だがこの方法だと、登録されている別のアドレスへ誤送信する恐れがある。また、未登録のアドレスに送る際には誤入力が発生しうる。

 メールソフトの機能やWebブラウザーの拡張機能などを使って、メールの送信時にアドレスなどを確認させる方法もある。しかしこういった方法は、導入当初は効果があっても次第に慣れてしまって確認しなくなる可能性が高い。

 「メールの誤送信を防ぐ」とうたう製品やサービスは20年以上前から登場しては消えている感がある。費用対効果を考えると、個人的には「気をつける」が最善策だと考えている。

 もちろん、PPAPも有効とは思えない。

 ただ、ドッペルゲンガードメインへの誤送信はもちろん要注意だが、前述のようにgmai.comには毎日多数の誤送信メールが送られているだろう。gmai.comの所有者がそれら全てに目を通しているとは思えない。

 それよりも、「同僚へのメールを、同姓の取引先や上司に誤って送る」といった身近な誤送信のほうが何倍も怖そうだ。相手は確実に読むだろうし、読まれてはいけない内容が含まれている可能性が高い。