米連邦捜査局(FBI)は2019年3月末、コンピューターウイルス「メリッサ(Melissa)」の出現から20年が経過したことを公式サイトで公表し、当時を振り返る記事を掲載した。
FBIが特定のウイルスに言及するのは珍しい。それほどまでに、メリッサは衝撃的だった。
まず第一に“新鮮”だった。現在と異なり20年前は、一般のユーザーがウイルスになじみがなかった。メールに添付されて送られてくる場合があることも、ほとんど知られていなかった。
そして、とにもかくにも被害が大きかった。
FBIによると、メリッサが感染を広げるメールによって、世界で300以上の企業や政府機関のメールサーバーが過負荷になって使用不能になったという。およそ100万のメールアカウントが影響を受け、推定被害額は8000万ドルに上った。
メールで感染を広げるマスメーリングウイルスの破壊力を世に知らしめたメリッサ。
さらに、「アダルト」の誘惑に、多くの人がいかに弱いかも明らかにした。アダルトを餌にしたソーシャルエンジニアリングの先駆けでもあったのだ。