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 新型コロナウイルスの感染が一向に終息しない。それに伴い、新型コロナに便乗するサイバー攻撃やネット詐欺が猛威を振るっている。それらに対抗すべく、海外ではボランティアによるセキュリティー組織が登場している。

 最も規模が大きいのが「COVID-19 Cyber Threat Coalition(CTC)」である。およそ3000人のセキュリティー専門家で組織されている。専門家が所属する企業や団体は様々。企業や団体の垣根を越えて、卑劣な攻撃者や詐欺師に対抗しようとしている。

新型コロナ関連ドメインの現状を報告

 CTCは2020年4月中旬、新型コロナ関連ドメインの現状を明らかにした。新型コロナ関連ドメインとは、「COVID」や「coronavirus」といった文字列を含むドメインである。

 CTCに参加する米ドメインツールズ(DomainTools)の専門家によれば、3月上旬から下旬にかけて新型コロナ関連ドメインの登録数が急増。1日当たり5000件を超えた。そのほとんどが高リスクのサイト、すなわち悪意のある可能性が高いサイトだったという。

新型コロナ関連ドメインの登録数の推移
新型コロナ関連ドメインの登録数の推移
(出所:米ドメインツールズ、CTC)
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 大きな災害や危機が発生した際には、正規の寄付サイトや支援サイトがまず立ち上がり、それらを模倣する偽サイトが出現するのが一般的だった。

 ところがグラフを見て分かるように、赤い高リスクのサイトのピークの後に、青い低リスクサイトのピークが出現している。正規サイトが立ち上がる前から、詐欺師は我先にと関連ドメインを貪欲に取得していたのだ。

 ドメインツールズの専門家は、このような傾向は今までに見たことがないとコメントしている。