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 セキュリティーベンダーなどによると、2019年5月中旬以降、北米で新たなサイバー攻撃が確認されているという。法律事務所をかたってウイルス(マルウエア)を添付したメールを送りつける攻撃だ。

 一方日本では、裁判所をかたる架空請求が相次いでいる。訴訟や差し押さえなどを執行するといって相手を脅かす。

 平和な日々を送っている一般の人には訴訟は縁がないので、「訴えられている」などと脅かされると慌ててしまい、正常な判断ができなくなる。それが詐欺師の狙い目だ。手口を知ってだまされないようにしよう。

添付ファイルにウイルスが潜む

 米国などで報告され始めたサイバー攻撃では、偽メールにWordの文書ファイルが添付されている。著名なセキュリティー研究者であるブライアン・クレブス氏によれば、メールの文面例は次の通り。

弁護士事務所をかたる偽メールの例
弁護士事務所をかたる偽メールの例
(出所:ブライアン・クレブス氏の公式ブログ)
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 「あなたは市から訴えられている。添付されたファイルを読んで7日以内に返事をしろ。さもないと、我々は次の行動に進まなければならなくなる」といった内容で、最終行には添付ファイルのパスワードが記されている。

 メールの送信者名は複数確認されているが、いずれも有名な法律事務所だという。

 メールに記載されたパスワードを使って添付ファイルを開くと、ファイルに仕込まれたウイルスが動きだし、別のウイルスをダウンロードしてパソコンに感染させる。

 海外で流行した手口は必ず日本にも上陸する。ある日突然、弁護士事務所をかたる日本語のメールが送られてくるかもしれない。とにかく、慌てて添付ファイルを開いてはいけない。

 心配なら、該当の弁護士事務所に連絡しよう。ただし、メールに記載されている電話番号にかけてはいけない。偽の番号である可能性が高い。連絡先は別の手段で確認する必要がある。