全4291文字
PR

QoSとは耳慣れない言葉ですが。

 生活の質を意味するQoL(クオリティー・オブ・ライフ)という言葉はありましたよね。これをサービスに変えてQoSという言葉を定着させ都民のみなさんに実感していただけるよう準備しています。

[画像のクリックで拡大表示]

行政サービス改善への問題意識を抱くようになったきっかけは。

 知事になる以前、私はフィンランドとの友好議員連盟の会長を務めていました。フィンランドには昔から着目していましたので。「フィンランド化」という言葉もあるように、フィンランドはかつてソ連(当時)との関係が深くネガティブなイメージがありました。ところがそのくびきから逃れた途端、国としてのネガティブな要素をポジティブに変えたんです。今ではフィンランドを含むスカンディナビア諸国には多様性や女性活躍の先進的なイメージがあります。

 あとはフィンランドの企業で言えばNokia(ノキア)ですね。ノキアはもともと製紙工場として創業し、様々な事業へと拡大していきました。ノキア印の長靴もあったんですよ。やがて通信事業へ進出して携帯電話事業を一気に発展し、マーケットを世界中に広げたのはご存じの通りです。一時はそこら中でノキア製携帯電話の呼び出し音が鳴っていましたよね(笑)。

 私は国家戦略として産業の生き残りを図ったりリードしたりする上で、フィンランドの事例は参考になると思っています。日本は今回のコロナ禍で、オンライン授業が遅れているとか給付金をスムーズに届けられないなど、様々な課題が見えてきました。最大の要因はやはりDXの遅れだと思います。

 そこでまず都庁から変えていきます。東京都の人口1400万人に対してフィンランドは500万人規模です。東京は一国以上のスケールがあるわけですから、どう伸ばしていくかが重要です。

平井デジタル相とも連携

 ただ、あんまりばらばらにやると複雑怪奇になるだけなので、国や自治体が連携して効率良く進める必要があります。デジタル担当大臣の平井(卓也)さんはずっと一緒にいろいろなデジタル化について連携してやってきた仲間でもありますので。国民向けであろうが都民向けであろうが、国と自治体が互いに連携を深めた方が質の高いサービスを効率良く作ることにつながると思っています。

コロナ禍を受けて立ち上げた情報サイトを含め、これまでのコロナ対策へのデジタル活用を総括すると。

 いろいろなサービスがあっても、利用者の生活や仕事に生かされないと絵に描いた餅になってしまいます。例えば金融の分野では、ミリ秒単位の超高速売買を可能にする極めて高度な処理をこなすシステムから、(スマートフォン決済アプリなど)一般の人々が日常的に使う便利なサービスまで様々です。どちらもデジタル技術の活用例で、どちらも必要だと思います。