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450年の歴史を持つ老舗の寝具メーカー、西川がスリープテックに目覚めた。西川 八一行社長は伝統を守りつつ、寝具のサブスクリプションなど事業領域の開拓に挑む。武器はネット接続した寝具製品を通じて集める睡眠データだ。生活全般を支援するプラットフォーマーを目指し西川社長が打ち出す、変革の一手とは。

(聞き手は大和田 尚孝=日経クロステックIT編集長、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ)

西川 八一行(にしかわ・やすゆき)氏
西川 八一行(にしかわ・やすゆき)氏
本名は西川康行。早大法学部卒、住友銀行(当時、現・三井住友銀行)入行。赤坂支店、ニューヨーク支店などを経て、国際総括部で人事・組織・広報・地域戦略などの業務を担当。婿養子として西川家に入り、1995年西川産業(当時、現・西川)入社、2006年代表取締役社長に就任。1967年生まれの52歳。(写真:的野 弘路)
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1月に米国ラスベガスで開かれたデジタル技術見本市「CES」に出展しました。寝具メーカーとしての狙いは。

 デジタル技術を活用した当社の事業戦略を世界に発信するためです。当社は西川産業と京都西川、西川リビングの3社が2019年2月に統合して発足しました。統合後に私たちが目指す方向を社外に発する場として、CESがふさわしいと考えました。

 センサー搭載のベッドを軸にした「スマートマットレス」を展示しました。睡眠中のパーソナルデータを計測し、睡眠の質を解析します。さらに眠りの状態に合わせてエアコンや照明機器を制御して、快適な眠りを支援します。栄養管理や化粧品の提案など、様々な日常生活の支援にも生かします。

(写真提供:西川)
(写真提供:西川)
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 将来的には体の異変を検知して医療機関などが駆けつけるといったファーストエイド(応急処置)までカバーできると考えています。米アマゾン・ドット・コムのAI(人工知能)搭載スピーカー「Alexa」と連携するシステムも展示しました。通常はAI搭載スピーカーに話しかける必要がありますが、当社のシステムなら何も言わなくても家電などを制御してくれます。