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空いている会議室や飲食店、住宅など様々なスペースをシェアするサービスを運営するスペースマーケット。重松大輔社長は2014年の同社設立以降、実直に業績を伸ばしてきた。2019年12月20日に東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場した。シェアリングエコノミーのサービスが乱立する中、利用者の心をつかみ事業を広げる秘訣とは。

(聞き手は玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、増田 圭祐=日経クロステック/日経コンピュータ)

2019年12月に東証マザーズ市場に上場しました。赤字上場するテック系スタートアップが多い中、早々に黒字を達成しました。

 2019年12月期の業績は前期比51.1%増の8億7300万円、営業損益は前期の2億6800万円の赤字から4300万円の黒字に転換しました。創業以来、きちんと数字を出すことは強く意識しています。何かのイベントや外で打ち合わせをする際、当社自身もレンタルスペースやシェアサービスをフル活用しています。こうしたコストを下げてトップライン(売上高)を伸ばすことに注力してきた結果だと思います。

 おかげさまで事業も順調に成長しています。2019年12月期の全社のGMV(空きスペースシェアサービスの利用総額)は24億円あまりと、前期比で7割強増えました。

重松 大輔(しげまつ・だいすけ)氏
重松 大輔(しげまつ・だいすけ)氏
早稲田大学法学部卒業後、2000年にNTT東日本へ入社。2006年に写真ネットサービスのフォトクリエイトに移る。国内外企業とのアライアンスで実績を積む。2014年1月にスペースマーケットを創業。2016年1月には一般社団法人シェアリングエコノミー協会を設立。代表理事を務める。(写真:村田 和聡)
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具体的な用途は。

 パーティーや飲み会、スポーツ観戦、会議、取材、研修、撮影など様々です。最近は「ユーチューバー」がスタジオ代わりに使うケースも増えています。

 築年数が古い物件とも、当社のサービスは意外に相性がいいんです。地方の古民家のほか、廃校や昔の公共施設といった遊休資産ですね。千葉県千葉市や静岡県浜松市、秋田県湯沢市といった自治体と、遊休資産の活用に取り組んでいます。

 当初は想定していなかったのですが、奈良県のある廃校はコスプレイヤーの撮影で非常に人気なスポットとなりました。使われていないスペースにはこうした需要が眠っているのです。

シェアリングエコノミーに対する利用者の理解や認知度は、ここ数年でどう変化したと思いますか。

 自分が所有するものは最低限にして、所有しているものは最大限活用する。そうした意識を持つ人が増えているように感じます。例えば、セミナーの講師やスキルのシェアをしたい人は、自分で集客し、場所はスペースマーケットで押さえて、食事は「Uber Eats」を使うといった具合です。

 貸し手側も、空き家や飲食店のアイドルタイムなど、そのままでは1銭の価値も生まない空間を他人に貸し出すことで、非常にサステナブルなモデルを作ることができます。

あらゆるジャンルでシェアが当たり前に

 とはいえ、まだまだ市場が成長する入り口の段階だと思っています。認知度にしても、スペースマーケットのことを知っているのはせいぜい2割とかその程度でしょう。

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