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 新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がっている。オフィスから離れた場所でビジネスパーソンの共同作業はどのように変わるのか。企業向けストレージサービスの大手である米ボックス(Box)のアーロン・レヴィ会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

新型コロナウイルスの感染拡大で、自宅から仕事をする「ワーク・フロム・ホーム(WFH)」の勤務形態が増えている。Boxの利用状況はどうか。

 利用者が非常に増えている。オフィスに行けなくなって、特にビデオ会議サービスやドキュメント作成のような他の生産性ツールとの利用が増えている。Boxのプラットフォームを利用して、まさに今コラボレーションを実現している。

 数人から10万人規模の従業員がいる企業まで幅広い企業に我々のテクノロジーを利用してもらっている。企業数としては約10万社だ。

ボックスのアーロン・レヴィ会長兼最高経営責任者(CEO)
ボックスのアーロン・レヴィ会長兼最高経営責任者(CEO)
(出所:ボックス)
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 ボックスはクラウドストレージサービスの「Box」を提供している。レヴィ氏が2005年に、ディラン・スミス氏(現・ボックスの最高財務責任者)とともに立ち上げた。レヴィ氏は大学を中退し、21歳で起業。現在全世界に約2000人の従業員を抱える企業にまで育て上げた。

 Boxはストレージサービスを外部からAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で活用できることを売りにしている。Box上の文書や画像などのファイルを他のシステムやアプリケーションから操作できる。

WFHになったことで、注視している点はあるか。

 今、各企業に新型コロナウイルス感染拡大以前とは違う働き方が求められている。ビデオ会議はこれまで以上に使っている状態だ。新たな場所から新たな端末を使ってファイルにアクセスするようにもなっている。そこには新たなセキュリティーリスクが生じる。

 そうした状況において、共同作業している人に対して安全にファイルを共有できるようにしなければならない。そのためにITやクラウドのテクノロジーだけでなく、働き方の変化も見ていかなければならない。

 企業は、複数のサービスを組み合わせた最も適切なテクノロジーを利用してビジネスに取り組んでいる。つまり企業同士が新たな方法で連係し始めているわけだ。

 今は新型コロナウイルスに対応するためにリモートワークに取り組んでいる。ただ、アフターコロナになっても人々はビデオ会議やチャット、クラウドからのファイルアクセスなど最新の手段をこれまで以上に使い続けることになるだろう。そうしたなかでどのような働き方になるのかを考えていく必要がある。

新型コロナウイルスの影響によってビデオ会議サービス「Zoom」の利用が急増している。ビデオ会議サービスに参入する予定はないのか。

 Zoomや(米マイクロソフトの)Skype、米シスコシステムズのWebExは非常にいいサービスで、今は競合したくない。我々は共同作業のプラットフォームになることに集中しており、いずれはこれらを統合的に利用できるサービスをつくりたい。

データをクラウドから利用できるという基本機能以外に、どのような機能を強化しているのか。

 利用者がスムーズに共同作業ができる機能を追加している。例えば、ドキュメントにコメントを追加したり、我々の顧客が利用している他のサービスと容易に連係したりできるといったことだ。今、こうした連係機能に特にフォーカスしてサービスの向上を図っている。

 新しい機能としては、メッセージサービス「Slack」やマイクロソフトのチャットツール「Microsoft Teams」、Zoomなどとの連係になる。例えばZoomとの連係は、Boxに格納したドキュメントや写真などをZoomによるビデオ会議中に呼び出して、参加者に共有できる。