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リアル店舗でITを駆使する「IT小売業」を目指す老舗ホームセンターカインズ。改革を率いる高家正行社長は新規出店と合従連衡で成長するチェーンストアの常識とあえて決別。強みである店舗とデジタル技術を組み合わせ、顧客の新しい購買行動をつくると意気込む。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、鈴木 慶太=日経クロステック/日経コンピュータ)

高家 正行(たかや・まさゆき)氏
高家 正行(たかや・まさゆき)氏
1985年慶応義塾大学経済学部卒、三井銀行(現・三井住友銀行)入行。A.T.カーニーを経て2004年ミスミ(現・ミスミグループ本社)入社。子会社社長、本社常務を経て2008年に社長に就任。2016年にカインズに入社し、非常勤取締役に就任。2017年に副社長、2019年から現職。1963年生まれの57歳。(写真:村田 和聡)
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2019年3月の社長就任時に中期経営計画を策定しました。

 最大の目的は「次のカインズ」を創ることです。カインズは日本のホームセンターの中では非常に古い会社の1つです。1989年、大型ディスカウントストアと日用雑貨店が合わさった日本型ホームセンターとして事業を始めたのが、当社にとっての第1の創業期でした。その後、現会長の土屋(裕雅氏)が2002年に社長になってSPA(製造小売り)にかじを切り、プライベートブランド商品を拡充していった時期が当社にとっての第2創業期と言えます。

 ただ、ホームセンター市場はこの10年以上横ばいにもかかわらず、新店が増え続け完全にオーバーストアの状態になりました。そこで私が社長に就任したタイミングを第3創業期と位置付けました。自分たちがつくってきたカインズの枠を超えて、新しいカインズをつくるのが目的です。

中計ではデジタル活用を重要な柱の1つに位置付けていますね。

 はい、新しいカインズを創るには新しいテクノロジーが不可欠と考え、大きく投資すると決めました。「IT小売業」を目指し、3年間で100億~150億円を投資する計画です。