不得手な業務ほど苦労してでも外注せず自前でこなす道を選ぶ――。「プロ経営者」として住宅設備大手LIXILグループを率いる瀬戸 欣哉社長兼最高経営責任者(CEO)は、こう言い切る。同業界の特徴を踏まえ、デジタルとアナログとのハイブリッド戦略を進める方針だ。新型コロナ禍の克服とデジタル変革に挑む瀬戸社長が、DXのパートナーとしてIT企業に求める条件とは。
(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、高槻 芳=日経クロステック/日経コンピュータ)
新型コロナウイルス禍で経営にどのような影響が出ていますか。
短期的には当然ながらマイナスの影響があります。生産ラインや工事現場がストップしたり、ショールームを開店できなかったりしました。2020年上半期(4~9月)の業績はどうしても厳しくなります。
ただ、海外市場は欧米を中心に回復してきました。国内も9月には底を打ち、下半期は前年に比べて良い業績になると予想しています。
一方、長期的にみればプラスの影響があります。これまで多くの消費者は家よりも旅行や買い物、外食などにお金をかけてきました。朝早く家を出て帰宅時間も遅い生活では、家がさほど重要な存在ではなかったのでしょう。