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機械工具卸の大手、トラスコ中山が「DX銘柄2020」のグランプリに輝いた。同社を率いる中山哲也社長はデジタルありきでなく、顧客の利便性と自社のあるべき姿を追求した結果と強調する。多数決経営に反対、在庫回転率は無意味と、業界の常識にとらわれない経営スタイルを貫く。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、鈴木 慶太=日経クロステック/日経コンピュータ)

中山 哲也(なかやま・てつや)氏
中山 哲也(なかやま・てつや)氏
1981年近畿大学商経学部卒業後、父親が経営する中山機工(現トラスコ中山)入社。1984年取締役、1987年常務取締役、1991年代表取締役専務取締役を経て1994年より現職。視覚障害者を支援する公益財団法人中山視覚障害者福祉財団の理事長を務める(1997年設立、2010年公益認定)。1958年生まれの61歳。(写真:村田 和聡)
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経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄2020」のグランプリに輝きました。

 受賞の知らせを聞いたときは、「それはきっと何かの間違いやぞ」と社内で話していました(笑)。でも日本のものづくりの役に立ちたいという思いでこれまで社員たちが愚直に働いてくれていましたから、取り組みを評価いただけたのは純粋にうれしいです。

 当社は機械工具の卸で、国内外のメーカー約2600社から仕入れた230万点の商品を全国約5500社に販売するビジネスを手掛けます。顧客は製造業や通販事業者など多岐にわたります。「顧客が欲しいと思ったものをすぐに用意してすぐに届ける」という、問屋の機能を追求するために、これまでデジタルを積極的に活用してきました。

グランプリに選ばれた取り組みは。

 基幹システムをリプレースするタイミングで取り組んだ各種IT施策をご評価いただきました。当社は2006年からSAPを採用しており、2020年1月に新たにSAP S/4HANAを導入しました。今後売上高を3000億円(2019年12月期は2206億円)まで拡大する上で、必要となるであろう機能をこのタイミングで複数実装しました。