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専門性をぶつけ合い「コネクト」せよ

コア技術は研究開発部門が中心となって担っていますか。

 いいえ、研究開発部門だけで新しい素材や技術を生み出し続けるのは難しいかもしれません。私は2016年に社長に就任して以来「コネクト」とさかんに言い続けてきました。昔から「One旭化成」や「One AK」といった言葉を使っていたのですが、具体的に何をすべきか分かりづらかった。そこで私はコネクト、つまりつながれと言っているのです。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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 従業員同士が互いの専門性をぶつけ合って価値をさらに高める。お客様や学術研究機関と共同開発をする。世の中の動きや研究開発のトレンド、他社の開発状況、自社のポジショニングなどを意識して研究開発を進めてほしい。そのためにはオープンイノベーションができる環境づくりや社内の人間が交流する場、外部とコネクトする機会を設ける努力を続けるのが肝心だと思っています。

 コネクトは少しずつ浸透していると感じます。最近は全社研究発表会を開くと会場を押さえるのに困るぐらいの人数が集まるようになりました。昨年は初めて生産技術のフォーラムも開催しました。IoT(インターネット・オブ・シングズ)の専門家と生産現場の人たちがコネクトして実際に起こっている課題を解決する。そういう流れを作るのが大事ですね。

(写真提供:旭化成広報室)
(写真提供:旭化成広報室)
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吉野氏が開発したリチウムイオン電池はスマートフォンなどに使われ、デジタル社会に欠かせません。小堀社長自身もLSI(大規模集積回路)に長く携わりました。デジタル製品向けの素材を事業化するために何を重視していますか。

 安定供給と品質、そしてキラリと光る特徴を常に意識することです。かつては(家電メーカーをはじめとする)日本の川下産業が本当に強かった。川上に位置する当社は、いま挙げた3点を押さえて、川下のお客様の要望を聞きながら経営してきました。