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使い道までしっかり理解

 しかし中国や韓国などのメーカーが台頭し、日本の川下産業は以前ほど強くなくなってしまった。だから我々は世の中の大きな流れを自分たちでつかみに行くべきだと考えています。

 従来のマーケットチャネルの延長で仕事を見つけるのではなく、もっと広い視野で世の中の動きを捉え、我々のコア技術とどう結びつけて新たな価値を作り出していくのか。実現には社外とのコネクトが必要です。

 IoTなどの技術を使って集めるデジタルデータも、斬新な事業を生み出すカギを握ります。データを活用してイノベーションを起こし、従来の延長線上にはない新たな成長領域を生み出していきたいです。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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「新たなマーケットの課題や要求に応えるにはソリューションを提案すべき」とも主張していますね。

 ええ。素材の提供にとどまらず、素材がどのように使われるのかまでしっかり理解した開発が重要です。お客様に言われた通りに作って納品するのではなく、ソリューション全体に関わっていくことです。

 例えばカセイソーダ(基礎工業薬品の1つで、様々な用途に使われる)は食塩水を分解して作ります。当社は電解プロセスで使う電極や膜を供給しています。電極や膜を供給すると考えるのではなく、お客様がカセイソーダを製造するプロセスを効率化し、電極や膜をタイミング良く切り替える仕組み作りにまで当社が踏み込む。そうしたソリューションを提供するにはデジタルデータの活用が欠かせません。

 よりクリーンな社会を目指して、当社はドイツで水素製造システムの実証実験をしています。再生可能エネルギーの導入が進む欧州では、需給に応じて電力料金が日々変動する制度が広がりつつあります。すると電力コストの安い時間帯に水素を効率よく安価に作るオペレーションが必要になります。ここでもデジタルデータの活用が欠かせません。