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日本航空子会社の中長距離格安航空会社ZIPAIR Tokyoを率い、2020年10月に初の旅客便の運航を始めた西田真吾社長。コロナ禍という逆風下での離陸だが、成田を拠点にアジアと北米の架け橋を目指す。「コンビニ棚」方式のIT活用で低コストとサービス品質の両立を図る。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、金子 寛人=日経クロステック/日経コンピュータ)

西田 真吾(にしだ・しんご)氏
西田 真吾(にしだ・しんご)氏
1990年4月日本航空(JAL)入社。大阪空港支店、資金部、関連事業室、収支資金計画部、マイレージ部などを経て2015年マイレージ事業部部長。2018年8月にティー・ビー・エル(現ZIPAIR Tokyo)社長、2019年3月から現職。(写真:村田 和聡)
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2020年10月にソウル線、バンコク線と旅客便を相次ぎ就航させました。新型コロナ禍もあり苦難の道のりだったかと。

 親会社である日本航空(JAL)が新たな格安航空会社(LCC)事業に進出する事業構想を発表したのは2018年5月です。何もないところから正味2年ぐらいで航空会社を立ち上げるというミッション、しかも中長距離国際線のLCCという世界でも珍しい事業モデルでしたので、道なき道を切り開きながら駆け足でここまでやってきました。社員たちがコロナに負けず、たくましく頑張ってくれました。

JALの資産生きる中長距離LCC

そもそも、なぜ中長距離のLCCに着目したのでしょうか。

 JALグループはこれまでフル・サービス・キャリア主体に事業を展開してきましたが、2年前に中期経営計画の一環で、新規の事業領域も立ち上げる方針を打ち出しました。JALグループの持つアセット(資産)や知見を生かせる新規事業ということでLCC事業に着目したのです。

 国内のLCCには短距離・多頻度運航のジェットスター・ジャパンやPeach Aviation(ピーチ)、当時はバニラ・エアもありました。各社がいる既存領域よりも(ライバルのいない)長距離を攻めていくべきではないかというのが、検討の始まりです。今はソウルやバンコクという短中距離の路線ですが、我々の本丸は太平洋を越えてアメリカ大陸に向かう路線です。