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130年の歴史を持つ生保業界のガリバー、日本生命保険がデジタル活用に本気で乗り出した。AIをはじめとするデジタル技術を駆使し、既存業務の効率化や新規事業の創出に向けた5カ年計画に挑む。数多くの企業がAI活用に取り組むなか、日本生命は清水博社長自ら旗を振るなど力の入れようが際立つ。全国5万人の営業職員というリアルの武器を生かした日生流のデジタル変革とは。清水社長に直撃した。

(聞き手は大和田 尚孝=日経 xTECH IT 編集長、玉置 亮太=日経 xTECH/日経コンピュータ)

清水 博(しみず・ひろし)氏
清水 博(しみず・ひろし)氏
1983年京都大学理学部卒、同年日本生命保険入社。商品開発担当部長、執行役員総合企画部長、常務執行役員総合企画部長、取締役専務執行役員などを経て2018年4月より現職。1961年生まれの58歳。(写真:村田 和聡)
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デジタル技術による業務改革や新規事業の方針をまとめた「5カ年計画」を4月に公表しました。社長としての狙いは。

 デジタル活用に関する私なりの積極的な取り組み姿勢を示すためです。経営者としての発想の根本はお客様のニーズであり、お客様の行動原理や満足度を中心に物事を考えなければいけないと常々考えています。その具体策を示したのがデジタル5カ年計画です。

 生命保険は数十年と長期間にわたって提供する商品です。保険がお客様の今のニーズに合っているのかどうか私たちが丁寧に説明して確認し、お客様自身に理解していただかなければなりません。そのためにはフェース・トゥ・フェースの営業職員の存在が欠かせません。当社には現在、5万人の営業職員がいます。はやりの言葉で言えばリアルチャネルですね。リアルチャネルを中心に130年の事業を成り立たせてきました。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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 これからもリアルチャネルが重要であることに変わりはありません。一方でITが進展して、スマートフォンに代表されるデジタル技術が社会や人々の生活様式に入り込んできました。