IT活用の巧拙が競争力を左右する時代、先進事例を深掘りして勘所をつかもう。

深掘り先進事例
目次
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国の標準仕様で3市相乗り、倉敷市と松山市が先行してガバクラで自治体初の本稼働
倉敷市、松山市
瀬戸内地方3市が国の標準仕様対応の基幹業務システムを共同構築した。先行して岡山県倉敷市と愛媛県松山市の2市が本稼働させた。庁内で運用した従来システムとの比較で2~3割の費用削減を見込む。
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生命保険の基幹システムをクラウドに移行、4000人月を投じて得た果実とは
第一フロンティア生命保険
第一生命ホールディングス傘下の第一フロンティア生命保険が、基幹システムの稼働基盤を「Azure」に移行した。同社が3年の月日と4000人月のリソースを投じる大規模プロジェクトに踏み切った背景には、新商品開発にかかる期間を短縮して高い競争力を獲得する狙いがある。
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荏原製作所が「SAP S/4HANA」を導入へ、グローバル統一の鍵は独自テンプレート
荏原グループ
荏原グループが全社の基幹システムとしてERPの導入を進める。導入をスムーズにするため荏原グループの標準化に沿ったテンプレートを整備した。業務を標準化し、グローバルでの一体経営へつなげる狙いがある。
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富士通のオフコンから脱却、洋菓子のモンテールがローコードで基幹システム刷新
洋菓子メーカーのモンテールがチルドデザートの受注から出荷などまでを支援する基幹システムを刷新した。ローコード開発ツールを全面採用し、業務アプリケーションを自動生成。出荷指示や商品マスターの登録にかかる時間を月60時間超削減している。
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カインズが売り場検索にソニーの新技術、「客の店内位置」捉えるビーコンを大幅削減
カインズ
カインズは来店客が自身の位置を確認しながら買い物できる新機能を開発。広い店内でも迷うことなく、目的の商品がある棚にたどりつけるようにした。ソニーの「歩行者自律航法」技術に着目し、コストを抑えて実装にこぎつけた。
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ミツカンがシステム基盤をクラウド化、AWS初心者が設定・運用までどう内製?
ミツカングループ
ミツカングループが全社のシステム基盤としてAWSの導入を進めている。AWS初心者の社員が社外の力を借り、AWSの自社導入体制を築いた。システムの実装とルール策定を同時に実施することで実現した。
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日立造船がAIでごみ焼却発電の効率向上、カギとなる蒸気温度の安定をどう実現したか
日立造船
日立造船がごみ焼却発電施設でAIの活用を進めている。発電用タービンに供給する過熱蒸気の温度を安定させる。建設・運営する施設でクリーンエネルギー技術として導入を広げる。
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コーセーがAWS上で営業支援システム更改、コンテナによるインフラ改善の成果
コーセー
化粧品メーカーのコーセーが営業支援タブレットシステムを更改している。AWS上のコンテナ基盤を活用し、ログイン障害件数を0件に抑制。マイクロサービス化を視野に、機能追加や改修時の影響範囲を縮小した。
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高知県が「植物のインターネット」でハウス栽培、AWSデータ基盤使い収量高める
高知県は2022年9月、データ連携基盤「IoPクラウド」の本格稼働を開始した。ハウス内の温湿度などのデータを収集・分析し、農作物の生産性を高める。農家と大学、企業が連携する体制を構築し、データガバナンスに力を入れる。
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北九州市が庁内DCとAWS併用し基幹系運用、ハイブリッドで余剰ITインフラなくす
北九州市
北九州市は一部のシステムをAmazon Web Services(AWS)に移行した。今後他のシステムも移行し、庁内データセンターとのハイブリッドで構築する。AWS上にオンデマンドでテスト環境をつくるなどして運用コスト抑制を狙う。
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KDDIが独自の大規模アジャイル体制を構築、AWSで疎結合のフロント系を実装
国内通信大手のKDDIが顧客接点のDXに挑んでいる。肥大化し複雑化したフロント系システムの改革とアジャイル導入が軸だ。プロダクトオーナーの補佐役を設け、アジャイルで大規模開発を推進した。
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商船三井がSAP S/4HANA Cloudを採用、「アドオン」35本に抑えた施策とは
商船三井は2022年4月に基幹系システムを刷新した。SAPの標準機能に業務を可能な限り合わせ、アドオン開発を35本に抑えた。プロジェクトを計画通り完遂できた要因はユーザーテストの前倒しだった。
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コニカミノルタジャパンが営業支援システム刷新、アジャイルとローコードで内製開発
コニカミノルタジャパン
営業支援系のシステム群を内製開発で刷新した。利用部門が目指す改革像を議論し、業務プロセスを自らの手で定義した。アジャイル手法とローコードを採用し、1年強という短期で実装できた。
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高砂熱学工業がローコード開発で基幹システム刷新、巨大プロジェクトの舞台裏
高砂熱学工業は約40年使い続けた基幹システムをクラウドに刷新した。建設業特有の業務ニーズに応えるため、ローコード開発ツールで自社開発。最大300人が関与し、約3年に及んだ巨大プロジェクトを計画通り完遂した。
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カゴメがトマトの収量を5週先までAI予測、特徴量100超の学習で熟練担当者を凌駕
カゴメ
カゴメが生鮮トマトの収量を5週先まで予測するAIモデルを開発した。100以上の項目からなる十数年分の菜園週次リポートを深層学習に生かした。熟練でも難しい長期予測を可能とし、小売店へのトマトの安定供給を見込む。
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サッポロHDが新規事業で料理レシピアプリ、工場担当者らがゼロから開発
サッポロホールディングス
サッポロホールディングスは料理レシピを提供するアプリを開発した。食品メーカーなど約30社の協力を得て約2万件のレシピを提供する。工場や知財の担当者が提案し、試行錯誤を経て正式版アプリを出した。
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花王がAzure上にデータレイク、「3度目の正直」で現場に浸透させる一手
花王
花王がデータレイクの構築を通じ、データ活用を深める体制を整えている。売り上げ関連のデータレイクを構築し、作業効率化など効果を上げている。過去の反省を生かし利用者と継続的にコミュニケーションを図る。
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「やらまいか精神」で挑む浜松市のスマートシティ構想、構築進む都市OSの中身
浜松市がデジタル・スマートシティを目指し「都市OS」の構築を進めている。データ基盤の役割を果たし、行政や民間が持つデータを連携させ横断的に活用する。全国の事業者を巻き込み、市民サービスの向上や地域課題の解決を図る。
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りそながローコード全面採用で営業店システム刷新、開発期間を半分に
りそなホールディングス
りそなホールディングスが営業店システムを刷新した。ローコード開発ツールを全面採用し、Webアプリケーションを自動生成。スクラッチで開発する場合と比べて、開発期間を半減させた。銀行界の常識にとらわれない取り組みといえる。
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札幌市がハイブリッドクラウド、「全庁共通システム」を移行し運用コスト4割減に
札幌市
札幌市が効率的なシステム運用を目指し、庁内システム基盤を刷新した。オンプレミスとクラウドサービスを組み合わせたハイブリッドクラウドを導入。コスト削減に加え、柔軟で安定的なシステム整備の環境を実現した。