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水産加工品製造・販売のオカフーズが基幹系システムをクラウドに移行した。在宅勤務比率が高い中、クラウドERPの導入を敢行しオンプレミスと決別。様々なSaaSを組み合わせ、受注入力の7割を自動化するなど効率化も図る。
「もしクラウド移行の前に業務改善をしていなければ、おそらくいろいろな人から『あれが欲しい、これが欲しい』と要望が出て収捨がつかなくなっていた。『これいらないね、あれいらないね』と業務をシンプルにしていたのが、クラウドへの移行がスムーズにできた一番の要因」。オカフーズで基幹システムクラウド化のプロジェクトリーダーを務めた濱田康之常務取締役統括本部本部長はこう語る。
オカフーズは東京・築地に本社を構える年間売上高65億円規模、社員数約40人の加工食品企業だ。社食や病院、高齢者施設などを最終顧客とする水産加工食品の製造・販売を手掛ける。そんな同社は新型コロナウイルス禍で在宅勤務比率が最大85%になるなか、基幹システムである販売管理システムを刷新。クラウドERP(統合基幹業務システム)で再構築し、2021年5月から運用を始めた。それまで利用していたオンプレミスのシステムからクラウドに移行し、社内に置いていたサーバーも撤去した。