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住信SBIネット銀行はネットバンキングシステムをAWSに切り替えた。同時にOracle DatabaseをPostgreSQL互換のデータベースに置き換える。データベースの運用費を8割削減し、3年間で移行コストを回収する。
住信SBIネット銀行が2020年3月の完了を目標に、インターネットバンキングシステムの全面クラウド移行プロジェクトを進めている。
オンプレミス(自社所有)環境から米アマゾン・ウェブ・サービスのパブリッククラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」に移行。さらに、従来このシステムで使っていた米オラクルのリレーショナルデータベース「Oracle Database 11g」を、AWSのRDBサービス「Amazon Aurora PostgreSQL」に変更する。
店舗を持たないネット専業の同行にとって、ネットバンキングシステムは「勘定系に次ぐ重要なシステム」(住信SBIネット銀行の相川真一システム開発第2部部長)との位置付けだ。それでもAWSに移行した上で脱Oracleを果たす。これにより「データベースの運用費を8割以上削減できる」(相川部長)と見込んでいる。
AWS移行プロジェクトは2017年に開始した。ネットバンキングシステムは大きくWebフロントサーバーとDBサーバーで構成する。前者の移行は、AWSの仮想マシンなどを採用し、2019年3月に完了。現在は、残るDBサーバーの移行を実施している。