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顧客の属性で色分け

 営業職員が担当する顧客に関して、画面表示された地図エリア内に自宅や勤務先があればフラグとして表示する。タブレットのGPS(全地球測位システム)を使い、営業職員の現在地も地図上に表示。電車、自動車、自転車、徒歩といった移動手段を指定すると、客先までの最適な経路と所要時間の見積もりを示す。

 従来のノートPCの業務アプリには、この地図情報機能が無かった。営業職員は顧客1人ひとりの居場所をデジタル地図などで確認する必要があった。

 タブレットの業務アプリを使うと地図上で訪問する顧客の居場所を確認できるため、訪問スケジュールを立てたり、経路を決めたりしやすくなったという。

 使い勝手の工夫はそれだけでない。顧客の居場所を表すフラグを、顧客属性によって色分けする機能も加えた。

 これが最も効果を発揮するのは、メインの訪問活動の合間に、明確な用事が無くても近隣の顧客を訪ねる「ついで訪問」を計画するときだ。

 前回に訪問してから期間が空いている顧客は青色のフラグになる。そのためメインの訪問活動のスケジュールを組む際、近隣の青いフラグに着目するだけで簡単に「ついで訪問」を計画できるという。

 営業職員の上司も同じ情報を参照できるので、青いフラグに目を光らせて「ついで訪問」を促しやすくなった。

自動シャッターで画像ブレ抑制

 客先で保険証券などをカメラによって撮影し文字を読み取るOCR機能の使い勝手にも注力した。

 OCR機能も従来のノートPC向けアプリには無かった。そのため「顧客の証券を預かって持ち帰り、オフィスでコピーを取っていた」(後藤健一IT推進部上席専門課長)。

 タブレットのOCR機能は、キヤノンのOCRエンジン「Rosetta-Stone-Components」をベースに開発した。

 その際に腐心したのは、OCRで文字を認識しやすい鮮明な画像を、誰でも簡単に撮影できるようにすることだ。不鮮明だと文字を認識できない。

 実はテストの段階で、OCRによる文字認識率は5割ほどにとどまっていた。これでは業務に支障が出ると判断した。

 最大の原因は撮影の難しさにあった。当初のOCR機能は、営業職員が紙の証券とカメラの距離、証券に当たる光量を調整した上で、手振れをしないようにそっと撮影ボタンを押す必要があった。慣れていないと鮮明な画像を撮るのは難しかった。

 そこで証券との距離および光量の調整、シャッターを全て自動化した。営業職員は証券をテーブルなどに置いて真上から下にタブレットのカメラを向け、徐々に近づけるか遠ざけるかするだけでよい。文字が認識しやすい距離になったとき、光量が足りていればタイマー撮影が自動で始まる。そうなったら営業職員はタブレットを動かさないように静止させる。数秒後に自動的にシャッター音が鳴り撮影は完了だ。

 この機能により営業職員の撮影ミスが減ったという。

 この他、保険商品の見積もりなどの際に、画面での入力値をできるだけプルダウンで選べるようにした。キーボードではなくタッチ操作で使いやすくする配慮だ。

保険商品の見積もり
保険商品の見積もり
入力値はできる限りプルダウンで選べるようにして、タッチ操作で入力しやすくした(出所:日本生命)
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保険商品の見積もり機能を使った顧客提案シーンのイメージ
保険商品の見積もり機能を使った顧客提案シーンのイメージ
(出所:日本生命)
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