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北海道のドラッグストア「サツドラ」がカメラを張り巡らせた店舗を作った。POSデータではつかめなかった来店客の属性や動向を把握できるようにした。取得した新たなデータに基づき、品ぞろえを充実させたり、装飾を変えたりする。
札幌市郊外の住宅地にあるドラッグストア「サツドラ月寒西1条店」。外観はごく普通の平屋建ての店舗だ。売り場面積は約380坪と東京都内のスーパー並み。多店舗展開する同社の「標準フォーマット店舗」の1つである。
店内で天井や商品棚の上を注意深く見ると、監視カメラとは別に、正方形の小さな箱状の「AI搭載カメラ」が店内を網羅するように取り付けられている。その数96台。サッポロドラッグストアー(サツドラ)は2018年10月、サツドラ月寒西1条店にAI搭載カメラを稼働させた。2019年9月までに計3店舗に設置した。
同社はAI搭載カメラを来店客の属性や店内での動向の把握に活用している。例えば入り口付近にあるAI搭載カメラで来店客の属性を把握する。このカメラだけは黒い望遠レンズ付きで、来店客の顔の映像をより詳細に捉えられる。AI搭載カメラ側で性別や年齢を判定し、判定結果だけをクラウド側のサーバーに送る。通信量を減らしつつ、個人情報の漏洩を未然に防いでいる。判定の精度は100%ではないものの、クラウド経由で判定プログラムを随時更新して精度を高めている。