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営業支援系のシステム群を内製開発で刷新した。利用部門が目指す改革像を議論し、業務プロセスを自らの手で定義した。アジャイル手法とローコードを採用し、1年強という短期で実装できた。

複合機などの販売のほかオフィスデザイン事業なども手掛ける。同社が入るビル(写真提供:コニカミノルタジャパン)
複合機などの販売のほかオフィスデザイン事業なども手掛ける。同社が入るビル(写真提供:コニカミノルタジャパン)
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自ら設計した本社オフィスの様子(写真提供:コニカミノルタジャパン)
自ら設計した本社オフィスの様子(写真提供:コニカミノルタジャパン)
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 コニカミノルタの販売子会社であるコニカミノルタジャパンは2022年6月、営業支援系システムを刷新し、本番稼働させた。同社で最大となるオフィス分野の事業部門で全社員の4割に当たる営業部員が日常的に使う、基幹系に準じるシステムである。システムは法人顧客の商談情報を管理するSFA(セールスフォースオートメーション)に加え、見積もりや契約管理、営業に関わるワークフローなどの個別システム群で構成する。売り上げ実績を反映させるため基幹系システムとも連係する。

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 クラウド型のローコード開発基盤やSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を組み合わせ、同社としては初めて本格的なアジャイル開発手法を採用した。そのうえでシステムが支援する業務プロセスや求める機能を決める要件定義は、ユーザーとなる営業部門が自ら担当した。営業部門が主体的に業務改革に取り組み、目指すべき営業活動の姿を新システムで実現させるためだ。業務改革により、部署や個人でまちまちだった営業プロセスを標準化し、システムに実装するプロセスのパターンを10分の1に集約した。

 2022年6月の稼働から5カ月あまりが経過した新システムは機能の拡張と評価の途上だが、既に効果が現れている。現段階での評価では、活用されていないムダなデータ登録が新システムで30%減り、システムの利用率が6%向上した。

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