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ノジマは全183店舗に「電子棚札システム」の導入を完了した。毎週の値札交換に必要だった数百人の人員配置が不要になった。店舗別の価格設定や販促情報の表示など新たな戦略につなげる。

 家電量販店大手のノジマは2019年10月、電子ペーパーを応用した「電子棚札システム」の導入を全183店舗で完了した。店舗の商品に付けた値札を人手に頼らず一括して更新できるようになった。電子棚札の全店舗導入は国内では初めてという。

図 電子棚札の設置例
ノジマが全183店舗に導入した電子棚札
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 横浜市に本社を置くノジマは関東や中部地方に店舗を展開している。電子棚札の導入前は全店舗に対して毎週金曜日に価格変更のデータを送り、これを受けて各店舗の店員が値札の交換作業をしていた。

 多くの店舗は夜9時以降の閉店時間後に遅番の担当者を配置して作業したり、大規模店になると約10人が半日ほどかけて作業したりしていた。全店舗で一斉に値札を付け替えるため、延べ数百人規模を作業に充てる必要があったという。

 電子棚札システムを導入したことで「値札の交換に人手を割く必要が一切なくなった」と、ノジマの貞森望家電AVソリューション推進部SIコントローラーグループ長は語る。2019年10月1日の消費増税に伴い値段を切り替える際も一括で更新でき、店舗での作業時間はほぼゼロだった。

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