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教示レス化を実現

 2011年創業のMUJINは、当初からロボットアームのコントローラーに照準を合わせ、2015年ごろからまず製造業向け、その後は引き合いを受けて物流業界向けにも訴求してきた。2016年にアスクル、2017年には中国の大手電子商取引(EC)事業者である京東商城(JD.com)が自社の物流拠点で稼働するロボットアームのコントローラーとして採用した。さらに製造業でも、トヨタ自動車系の自動車部品メーカーであるアイシン・エィ・ダブリュなど大企業の顧客が増えている。そのほとんどは、前述の通り、既存のロボットメーカー製ロボットアームの標準コントローラーの役割を置き換える形での導入である。

MUJINのコントローラー(出所:MUJIN)
MUJINのコントローラー(出所:MUJIN)
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 なぜ、名だたる企業がロボットメーカーの標準品を差し置いてMUJIN製コントローラーを使うのか。それは、ロボットアームを活用するための準備に当たる「教示(ティーチング)」が不要になるからだ。既存のロボットアームでは、人が操作盤(ペンダント)を用いるか、または直接力を加えてロボットを動かし、その過程で動作プログラムを作成する。つまり、所望の動作を人が再現し、ロボットアームに“教える”わけである。

 一方、MUJIN製コントローラーはロボットアームの動作計画を自動で作成できる。動作計画とは、任意の初期姿勢と目標姿勢に対する軌道である。ロボットアームの構造に関する情報や、ロボットアームを設置する環境の3次元データなどに基づいて、周囲の障害物や制御不能になる特異点を避けつつ無駄の少ない最適な軌道を計算する。さらに、その軌道を実現する動作プログラムも生成する。前出のような情報や3次元データを事前に用意しておく必要はあるが、人による教示は不要だ。

 教示レス化によって、ロボットアームに多様な動作をさせやすくなり、ロボットアームの使い勝手が高まる。それがMUJIN製コントローラーを採用する理由である。